モテる業界人の口説き方Vol.1
Dec 29, 2010
今回は『LEON』本誌でお馴染みのブランド、「BOGLIOLI」「FAKTOR」「Finamore」「Notify」等の正規エージェントである(株)アマン営業本部長、藤井尚志氏に参加していただきました。仕事がデキる、そしてモテる!ことでファッション業界でも有名な二人が集結したとあって、今宵のモテトークはどんな展開になることやら・・・・。
藤井 今の若い男の子を見ていて思うんだけれども、全然アグレッシブではないじゃない?見た目は若くてきれいだけれど。
前田 僕も全く同じ意見。女の子のほうがアグレッシブかも。
藤井 女の子に聞くと、彼氏や男友達と食事に行くと、割り勘が普通っていうんですよ。
大和 そう、そうみたい。ちょっと僕らの世代じゃ考えられないことだけど。
藤井 僕らの世代ってそこは格好つけなきゃダメでしょ、という共通の認識があったけれども、今は違うみたいだね。でも、デートに誘ってOKしてもらって「じゃあ、割り勘ねっ」なんて、やっぱり言えない(笑)
大和 女の子も、昔はそれが普通だと思っていたはずなんですけどね。
藤井 僕らが若いころって、周りに対して気遣いはできなかったとしても、引っぱることはできた。「俺についてこい」みたいな。僕らの若い頃ってそういうワイルドな時代だったじゃないですか。でも今どきの男の子ってナンパもしないらしいし、かといって気遣いがあるかと言えばそうでもないし。
大和 話を聞くと、できれば女性から誘ってほしいと、本気で思っているらしいですよ。
藤井 今の若い女性たちがある意味、気の毒ですね。僕らオヤジ世代のほうがよっぽどアグレッシブだったりするじゃないですか。
大谷 そう。だから年上好きの女の子が増えているんですよね。
藤井 仕事にしても、女性を口説くにしても、工夫やオリジナリティって必要でしょ。僕は営業をやっているから、ナンパは商売でバイヤーを口説くのと一緒です(笑)
大和 全く一緒ですよね。ナンパが下手な人は、ものが売れない(笑)
藤井 口下手な営業は仕事ができないですよね。
大和 そこが職人職と違うところですよね。
前田 でも僕はナンパは苦手です(笑)。人と話すのはすごく好きなんですけどね。多分ね、サービス業や営業職向きではないと自分で思っているのね。すごい恥ずかしがり屋だし。
藤井 前田さんのいいところは、例えばどんな忙しいタイミングでお会いしても、常に一生懸命に受け答えしてくれるところ。物事について真剣に向き合っている感じがする。
大和 いい加減にするってことはないですね、確かに。
前田 またも仕事の話になっちゃったね(笑)で、今回のテーマは?
大和 今回は「業界のモテる男が語る、女性の口説き方」でいかがでしょう?
前田 すごいね、そのタイトル(笑)
大谷 今回はプライベートな話まで聞かせていただきたく。藤井さんは業界でもモテる男として有名だそうで。
藤井 いや、モテるというか、失敗を恐れて成功はない、ということでしょうか(笑)
前田 ははは!俺と相当、性格が違うと思うよ~。
藤井 前田さんは逆に女性のほうから寄ってくるんじゃないですか?
前田 いやいや、仕事モードではいろんなことに対して割と敏感で、ちょっとしたニュアンスの違いにも気が付くのに、女の子からのアプローチには全くもって鈍感です(笑)
大谷 ファッション業界はいい意味でガツガツしている人も多いと聞いたのですが、本当ですか?
前田 そうね。この業界、多いね!
大谷 ということは藤井さんももちろん、ガツガツ系ですね(笑)
藤井 僕が若い頃なんか10回フラれても11回目はアリかな?と思っていましたね。
大和 僕もそうですね。
藤井 最近では、例えば一緒にご飯にいくことだったり、その先のことだったり、目標がありますよね? 僕の場合は自分の目標に対してどうYESという言葉をもらおうかと考える。それで、断れない状況に周りから固めて「こうなるのが自然でしょ?」という方向に持って行っちゃう。
大和 なるほど!(笑)
大谷 でもそれは、女の子が自分に好意があるって分かっているからですよね?
藤井 そういうところは僕わりとポジティブですね。食事に行く時点でそんなに嫌がられていないと思っているので、あとはいかに楽しんでもらうか。場所を変えたときのバーの椅子も重要ですね(笑)
前田 椅子ね!『LEON』でもやったな~それ。
藤田 シチュエーションづくりが大事。
大和 男と女が親密な関係になりやすい椅子ってありますよね、やっぱり。
藤井 そういう雰囲気になれるところってありますよね。煌々と明るい場所は、本気で口説くにはやっぱり不適切ですね。
前田 あと、あまりにもオープンすぎたりとか。
藤井 隣の人との距離感も大事ですね。それに、あまり奇をてらった演出はしないですね。いちばん最初のデートに行くときは居酒屋は確実にないですね。
大谷 カジュアルなトラットリアもないですか?
藤井 ないですね~。むしろ和食屋さんはアリかな。ゆっくり話ができるので。いい割烹や小料理屋さんだと、大将と話さなきゃという雰囲気になるので避けますね。
大谷 藤井さんが思う、デートにベストな店とは?
藤井 ちょっと外側の喧騒が見えるような、個室があるところですかね。もしくはお客さんとお客さんとの間隔がゆったりとられている席があるお店がいいかなぁ。
具体的なお店はオフレコです(笑)。いちばん恥ずかしいのが、頑張って考えて「ここは気に入るだろう」と思って予約した店が、逆に女性のほうが常連だったりするとき(笑)。
前田 それは危険だね。『LEON』ではそういうことも考慮に入れて“家飲みがいいんです”とか、“あえての○○で、ハズした場所を選びましょう”という提案をしてます。でも藤井さん、店とか詳しそうですよね。
藤井 結局は自分がデイリーに使っている居酒屋なんかに一緒に行けるコが最終的にはいちばんいいですよね。
大谷 最後にはそういうところに連れて行くんですね。それは何回目くらいですか?
藤井 三回目かな。
前田 お~(笑)
藤井 和食の美味しいところ、二回目はイタリアンでインテリアもちょっと洒落たところ、その次はいきなり炉端焼き、みたいな。
大谷 急展開だ(笑)
藤井 串揚げ屋とか。
大和 でも僕ら世代になってくると、この業界の人って殆ど遊ばないですよね。
藤井 そうですね。
大和 だから、夜遊びっていうと藤井さんと一緒にいることが多い(笑)。
藤井 なんでしょうね。みんなあんまり外に出たがらない。僕らより上の50代の人はバンバン遊んでいるんだけれど、なぜか40代や30代の人は遊ばないんですよ。
前田 結婚して落ち着いちゃうのかなぁ。
大和 だから、気づけば藤井さんとばっかり遊んでる(笑)
前田 ハハハハ(笑)会社で責任のあるポジションにいるから、遊べないタイミングに差し掛かるのが30代後半から40代前半なのかもしれないね。ビジネスの場としていろいろなお店は知っていても女の子を口説くためのお店のバリエーションはどんどん減っちゃう、みたいな。
藤井 僕はむしろもっと若い子に遊んでほしいですね。せっかくファション業界にいて人よりちょっとトッポいものを着ているのに、家と会社の往復だけで、たまに居酒屋に行くだけだったら「必要ないじゃん!?」って思う。
前田 単に合コンをして、カラオケ行って終わるんじゃなくて、違うフィールドへの遊びに連れ出そうとするような、バイタリティある遊び方がいいよね。もしかしたらクルマなのかもしれないし、ゴルフかもしれないし、アウトドアかもしれない。でも、さっきから話題になっている今の若い男の子の状況って、女の子側にも問題があるんじゃないかな? 例えば上昇志向をもって頑張っているオトコよりも、ちょっと達観しちゃっているようなオトコが格好良く見えちゃったり。で、結果、そういうオトコは夢しか語れないから、たいていは短いつきあいで終わっちゃう。デキ婚で即離婚、っていうパターンが多いのもそんな世代観を反映しているように見えるな。僕らが若い頃ってクルマがないと絶対に女の子は口説けなかったし、受け入れてもらえなかったでしょ。だからクルマを買うためにバイトもしたし、いいレストランに連れて行ってあげたいから、雑誌を読んで勉強もした。でもね、それは無駄なことじゃなかったと思う。
藤井 たしかに。
前田 その車も「何、乗ってるの」?と聞かれて答えたときに「へ~!乗りたい!」と思わせるクルマじゃなきゃダメだったしね。話も面白くなきゃいけなかったし、夜景が綺麗に見えるレストランを知っていなければいけなかった。たとえばクラブとかで遊んだあと、そこから抜け出してどうするか、考えたもん。今の若い子だったら変な話、表参道で仲良くなったら、そのまま渋谷のラブホテルに直行というパターンもあったりして? でも、小さな行動範囲やコミュニティの中で遊びが成立してしまっていることがつまらないじゃない? 結果的にその男と別れた後、それこそ藤井さんなんかが現れたら、「なんてこの人、面白いんだろう」って感じると思うのね。
大谷 だから今の若い子たちに、大人の男性がモテてる秘密は、そこにありますよね。
藤井 僕らの歳ってギリギリ、バブルを体験してきた世代なんですよね。クラブもあったしディスコもあったし。クラブで酒を買おうと並んでいると、年上の人が「お前、何飲むの?おごってやるよ」って、見ず知らずの人が奢ってくれるような時代だった。だからそれを知っている僕なんかは今でも後輩に奢るのは当たり前だし、女性に支払いはさせない。でも今の若い男たちはそれをスタンダードだとは思っていないんだよね。悪気があって割り勘にしてるわけじゃないとおもうんですよ。
前田 それは実際のデートのシーンでもあるわけ?
大谷 「気持ちだけ受け取るね」という子は実際多いですよ。
前田 やっぱり、そうなんだ! そうなるとやっぱり“オヤジ”のほうがモテるだろうね。