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モテる男は仕掛けが上手い!?
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前田 陽一郎

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前田 陽一郎

雑誌「LEON」副編集長

ここではレオンを日々作っていて思うこと、もしくは掲載できなかったけど個人的に買ったものや、興味をもったこと、レオンをさらに楽しんでいただくための裏読みの方法(ここが一番読んでもらえそう!)また至極個人的趣味までを、ブログというより、コラムとして書いてみようかな、と。 (ネタには困らないと思うのですが、元来の筆不精、というより無精者なので、どれほど続くかは不明ですが…、お付き合いくださいませ)

雑誌「LEON」のホームページ
http://www.shufu.co.jp/
magazine/leon/

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ファッション専門誌でもクルマ専門誌でも時計専門誌でもありません。いつまでも艶っぽさを失わない「モテるオヤジ」のためのクオリティ・ライフ実用誌です。

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モテる男は仕掛けが上手い!?
Feb 02, 2011

ファッション業界の人が集まれば必ず『LEON』掲載の反響の話になるほど。そんな大人のファッションを牽引し続ける流行の仕掛け人、前田さんが考える2011年のトレンドとは?今回はいつになく!?ちょっぴりマジメにファッションの話でお送りします。

大和 今回は前田さんが考える、2011年春夏のファッションを語っていただこうと。

大谷 あっ!でもあんまり喋っちゃうと、『LEON』本誌のタネあかしになってしまいますよね!

前田 まあ、話せる範囲で(笑)

大和 じゃあ、言ってもいいかな、というトコロまでで!

前田 漠然としているんだけど、今までのちょっと抑え気味だったモノをほんの少し開放する春になってほしいな、と。たとえば、シャツなら個人的には白いシャツが好きなんだけれども、そこにバリエーションがほしい。シャツ一枚でファッションを楽しめる5月以降でもここ数年は、ポロシャツ以外に選択肢がなかったように思うのね。

大和 たしかに、そうですよね。

前田 去年だったらチェックシャツやダンガリー、ウチなんかだと半袖シャツを仕掛けたり。けれどもそれ以外を考えると、色ぐらいしかバリエーションがなかったでしょ。みなさんは「え、他にあったっけ?」と言われると思うんだけれども、実はシャツってすごく多彩なバリエーションがあると思うんですね。小紋もあればストライプもあるし、花柄やレーンスプーナーのようなプリント柄だって楽しい。長袖はもちろんだけど、半袖や七部袖だってバリエーションだと思う。ポロシャツにしたってベーシックな半袖のそれは所詮形状であって、鹿の子と言う素材に着目すると、それできちんとしたシャツを作ったっていいわけでしょ。ラコステの“ビジポロ”みたいに。今年の春もファッションの軸になるジャケット&パンツのスタイルをいろんなシャツで楽しんでみてもいいんじゃないかなあ。

大和 なるほど!

前田 それとは反対に、柔らかくなり過ぎたものを少しカチッとしてみたいのも気分。ノータイでOKな場面でも、タイドアップしていたほうが格好いいとか。レオンで言うところの“楽ジャケ”も、着心地は楽なんだけれども、見た目までは楽ではないモノ、要はシャープな印象のものと言うか…。ともかく全体の印象としてここ数年ファッションは中庸なところに軸があるから、もう一度、中庸から枝葉を分け直すタイミングにきてるのかな~、と思う。

大和 なるほど。僕がバイイングしていて思うのは、“楽”は春夏まで引きずると思いますが、秋冬からはもう一度、きちんとサルトリアジャケットを着る、という流れは来るんじゃないかな、という気はしていますね。それは急にスーツに切り替わるという事ではなくて。前田さんの言う通りみんな楽に慣れてしまっているから、着心地は極めて楽なのに、ちゃんと見える洋服、というのが注目されてくるでしょうね。

前田 それと自分の中で、ずっとデニムが気になっていて。2010年の10月号では『波乗りデニムのこなし方』という特集をやったんだけれども、この春あたりから“インディゴ”が一つのキーワードになっていくような気がしてます。例えばそれは厳密にデニムでなくても、シャンブレーやインディゴ染めのコットンでもいい。なんかあの“デニム感”みたいなものがほしいんですね。金ボタンの紺ブレなんかもいいなあ。

大和 ベーシックなカラーといえばここ数年ずっとホワイト&グレーでしたからね。

前田 そうそう。

大和 ちょっとネイビーが恋しい感じはありますよね。

前田 デザインもそうだけれども凄くベーシックなのに、そこにデザイニッシュなモノを入れてみるとかね。来季のGUCCIをみてもスーツやジャケットは非常にしっかりとした作り方をしていて、男好きするデザインなんだけど、その中に着ているシャツは総柄のキザっぽいものだったり。いい意味でいやらしい、セクシーな感じが新しい。その感覚に近いよね。

大和 分かりますね。カーゴとかライダースジャケットといったスタイルに加えて、もう少し色気のある方向に振り戻しが来るんじゃなかなぁ、と。

前田 そうそう!色気ね。男っぽさも勿論大事だけど、色気は気になるところだよね。

大和 そうですね。

前田 しかもそれが‘70年代のグラマラスとも違う、もう少しスマートさを伴ったもの。

大和‘70年代のスタイルはビジュアル的には格好いいけれども、実際はめっちゃ疲れる(笑)

前田 だからリラックスとか楽チンであるということは絶対大事! どちらにせよいろんなスタイルが混在するシーズンであることは間違いないかもね。去年から引き続き“サファリ”はキーワードになり得るし、“軍モノ”も当たり前にあるし。でも、一貫して楽チンであること、みたいな。

大和 それはありますね。次の流れは春夏にちょっとずつ仕掛けて行って、秋冬で一気に来る、そんな気がしますね。

前田 大きく変わるのは次の秋冬あたりだね、現実的には。

大和 でもそうしてコツコツと仕掛けていくのが前田さんというか、今のレオン流ですよね。街を歩いていても、みんなこぞってカーゴを穿いているじゃないですか。これだけカーゴパンツを流行らせたのはスゴい! ある意味これもレオンが作り出したスタイルですよね。

前田 一生懸命作りました(笑)

大和 一年半くらい前から言い続けていましたよね。

前田 そうかも(笑)。ただ僕らは間違っても流行を作ってやろう、なんてことは思ってないですよ。自分たちも含めて読者のみなさんがきっと格好よくなれるものを、そう信じて提案しているだけ。ま、そんなことを続けていくことが雑誌の役割だと思うし、そうすることで信用も得られると思っているけど。

大和 ここにきて、来ましたよね。変な話、うちの店でもカーゴだったらどんなものを仕入れてもすぐ売れます。「インコテックス レッド」にしても「PT01」にしても。

前田 へぇ~、そうなんだ! どれもよくできているからね。

大和 そうなんですよね。

前田 でも、天の邪鬼な僕は今年はいかにカーゴパンツを履かないで今っぽくするか、という事を考えてます(笑)。だから替わりにデニムをよく穿くかな。上下ともにデニムとかね。それにジャケットを合わせてみたり。とにかく冒頭でも言ったように、今はジャケット&デニムのバリエーションにすごい興味があって、自分でも研究中です。

大和 リアルダンガリーが爆発的に売れることはないんですが、シャンブレー素材のウェスタンシャツはもう売れてます。

前田 そうなんだよね。冬物の場合は、素材感の相性がいいからね。

大和 ところでどこのデニムが面白いですか?

前田 どこのっていうのは、ないなぁ。むしろブランドを探している最中。ウチのクライアントさんのデニムは当然、ひと通り持っているし着回すけれど、今から20年くらい前に古着屋さんで買った、あの色落ちしたリーバイス501を手に取った時の感覚は忘れられないよね。当然、今あらためて古着のそのまんまを穿きたいってわけじゃないけれども「デニムってやっぱりオールマイティでいいなぁ」という気持ちにあらためてなりたい。

大和 それを彷彿とさせる新しいデニムって、本当にないですよね。でも前田さんが今日穿いているのはどこのものなんですか?

前田 これはディーゼルのストレッチスキニーの一番細いタイプ。

大和 パンツ全般にはなにか感じるものはありますか?

前田 う〜ん、もう少しシルエットをゆったりさせてみてもいいかな、とも思うな。ここ3年近くレオンでは裾幅18cmのテーパードをみなさんにはオススメしてきたんだけれども、それはそれとして新しいバリエーションとしてヒザ上ストレートも気になる。当然クッションもいままでハーフクッションだったのを少し深めのワンクッションにしてね。

大和 おっ、それは新しいかも。つまりジャケット&パンツの着こなし方に見た目の印象、それからそれに伴ったデニムの活用範囲、パンツのシルエットなんかもこの春から新しいものが出てきそうな予感、と! この春を境に、前田さんの服がアップデイトされていくのが楽しみです。

前田 ハイ、頑張ってみます(笑)。

ジャケットはB.R.Practical Style
パンツはBottega Veneta
靴はヒロシ・ツボウチ

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