武田　スタイルがちょっと人と違うんですよ。以前、萬田久子さんが、黒いスーツに黒のTシャツを着て、真っ赤な靴を履いてて。かっこいいなと思ったので赤い靴を探したんだけど、ない。結局、作ってもらいました。“何々を着てるんだ”とかじゃなくて、“実はイイものを着てる”。白いTシャツでも、実はグッチだったり。さりげなくオシャレというのがいいなと思ってます。

ーー　じゃ、結構ハイブランドもお好きなんですね。

武田　僕の中ではイメージが決まってるんですよ。例えばTシャツなら、白や黒はグッチ。セーターはBALENCIAGA（バレンシアガ）やCRUCIANI（クルチアーニ）、パンツはINCOTEX（インコテックス）やLUIGI BORRELLI（ルイジ・ボレッリ）やBARBA（バルバ）、ネクタイならZegna（ゼニア）で色が濃いのを買おうかな、とか。靴は、僕が好きなのはCorthay（コルテ）とBerluti（ベルルッティ）の先の尖ったもの。このアイテムなら、ここで買うというイメージが、すでにインプットされてますね。流行には流されなくなりました。

ーー　イタリアンクラシック好きな人からすると、武田さんはファッションリーダーなんですよ。以前、うちのショップで主催したパーティーでもそうですけど、武田さんの人気はすごいです。「かっこいいなあ」ってみんな言ってましたからね。経営者の方とか。

武田　僕、お金使ってますからね（笑）。環境も大きいと思います。僕は（小川）カズさんに出会えなかったらオシャレに興味を持たなかったし、のめり込んでなかったと思います。今、僕『SPORTS うるぐす』というテレビ番組を担当しているんですけど、（小川）カズさんにスタイリングをお願いしているんです。すると、僕がオシャレにしていることが、まわりに影響を与えていくんですね。Jリーグのときも、僕と（三浦）カズがオシャレだったから、きいちゃん（北澤豪）が洋服好きになったり、どんどん変わっていった。オシャレな人から影響を受けて、自分もセンスを磨く。そういう環境作りが、大事なんじゃないかと思います。

ーー　武田さんは着映えがするっていうのもいいですよね。型的にも、お顔的にも。

武田　体型がいい人は努力してると思うんですよね。洋服は、いいスタイルでいい物を着ると、より格好よく見える。僕も朝ランニングしたり、体重を計ったり、メンタル的なケアなども意識してやっていますね。

ーー　普段のコーディネートで、お洋服選びの法則はあるんですか？

武田　シンプル・イズ・ベストですね。スポーツ選手なんで爽やかに。解説の時はネクタイして説得力がある身だしなみにして、普段はジャージ。いつもは汚い格好でも、いざとなったらオシャレして、というのがオシャレだと思っているので、普段は短パン、Tシャツ。その中でも、地味な黒だけどadidas（アディダス）だったり、そういうこだわりはあります。ランニングするにしても。