NAKAMURA TATSUYA PRESENTS THE ESSENTIALS −案ずるより着るが易し−
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ベージュのシューズは上品に見えるんです
ガーメントダイ&ウォッシュを代表とする、味のあるアイテムが一世を風靡してからというもの、メンズファッションのカジュアル化は進む一方。ですが、ヤレ感のあるアイテムや着こなしにスポットライトが当たるようになると、そのカウンターとして真逆のテイストが気になってくるのも、ファッション好きの真理なんじゃなかろうか、と。で、そんな傾向は今シーズンの色鮮やかな洋服の潮流と同様に、シューズのジャンルにも現れているようでして。ただ、あらゆる色味が百花繚乱の洋服のソレとは、若干、ベクトルが異なるよう。この手のジャンルの最新トレンドは“キレイめで上品”がキーワード、と語る中村さんに、今回は、最新足元事情をとことん解説していただいちゃいます。
中村達也・なかむらたつや
1963年生まれ。大学4年の秋にBEAMSでアルバイトを始め、卒業と同時に入社。 BEAMS SHIBUYA、BEAMS F 店長、BEAMS F バイヤーを経て、現在、メンズのBEAMS F、Brilla per il gusto、ウィメンズのEFFE BEAMS、Demi-Luxe BEAMSの4セクションを統括するクリエイティブディレクター。その深い知識から生み出される本質を捉えるスタイルが、幅広い層から支持されている。
ベージュスエードの一足に
あらゆる意味で太鼓判
今回ご紹介させていただくのは、ベージュスエードのシューズ、です。前回のカラーパンツのテーマと同様に、この春夏の最旬トレンドとしては、キレイめな装いがとっても気になります。ですが、洋服同様に足元まで色を取り入れる、となるとソレって相性の良いパンツを探したり、トップスをどうするかという問題があったりして、結構難しいものですよね。そこで、上品でありながらもカラーアイテムとの相性もとても良いベージュのスエードシューズが、今季の足元には最適だと思うのです。
それでは、ベージュスエードのシューズに、なぜ今シーズン注目しているのかを早速ご説明させていただきます。第一の理由は“圧倒的な合わせやすさ”ですね。最旬のカラーパンツはもちろんのこと、定番のグレーや、迷彩・オリーブといったミリタリー系、そしてもちろん今日の着こなしのように白パンといった上品なものまで、ほぼすべてのボトムスにマッチしてくれるんです。要するに、上に何をもってきてもほとんどカバーしてくれるという、抜群の汎用性を備えた一足というわけなんですね。唯一、デニムと濃色のパンツだけは足元が浮いてしまったりするので、合わせることは避けたいですが……。ただ、これ以外のボトムスであればほぼOKですから、特に色を用いた今季的なコーディネートに挑戦したいと思っている方には、オススメのシューズと言えるでしょうね。
そしてこの手のシューズを今季オススメする二番目の理由は“軽快感がありながらも上品に見えるから”なんです。ここ数年のファッショントレンドの中で“軽やかさ”というのは欠くことのできないキーワードです。そういう意味でもベージュスエードというのは、そのハードルをクリアしています。しかも、こういう淡い色のレザーは、ダークトーンのレザーに比べて、格段にノーブルに見えるという効果もあるので、まさに、今季気になるクリーンなコーディネートにもってこいなんですね。汎用性が高くて軽快で、それでいながら品良く見えるベージュスエードのシューズ、一足持っておくと本当に重宝しますよ。
TATSUYA’S STYLE Vol.4
色と柄を優しく包み込む大人の余裕
と、ここまで中村さんに解説していただいたベージュスエードのシューズですが、次にご紹介させていただくのは、このアイテムの実際のこなし方。で、氏が提案してくれたのが、今シーズンのトレンドである“色”と“柄”を、ジャケパンスタイルで取り入れつつ、足元でノーブルさ表現したこちらのコーディネート。足元に今回のテーマであるベージュスエードのシューズを持ってくることで、軽快感を醸しつつも上品な印象に全体をまとめ上がっていますね。
“色”と“柄”を同時に用いると、ともすると子供っぽいガチャガチャした感じに陥ってしまいがちです。こういうコーディネートを実践する際にクリーンな雰囲気に仕上げる際のポイントとなってくるのは、色数を絞ることと素材感を合わせること、そして要所に大人っぽいアイテムを使用することにあると思っています。今回もそのセオリー通り、色数はベージュ系、グリーン、ホワイトという具合に出来るだけ全身を3色以内に抑えるようにしているし、表情豊かなチェックのジャケットとライムグリーンのシャツとの素材感の合わせにも気を遣いました。そこに大人っぽいベージュスエードのドライビングシューズを合わせることで、軽快感と上品さをプラスした、という感じでしょうか。結果、“色”と“柄”がケンカせず、それでありながら引き立てあってくれるコーディネートと言えるんじゃないかと思いますね。