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special meeting
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B.R.SHOP Special Meeting Vol.003

<ゲスト>インテリア&ファッション イラストレーター
tetsuro oh!no (大野哲郎)さん

--ところで、大野さんの家のインテリアはどんなコーディネートをされているんですか。

大野:スタイルでいったら、いわゆるミッドセンチュリーなんですけれど、有名な家具ってほとんどないんですよ。マンション自体が古いマンションで68年に建ったんですよ。1階なので床とかも自由に換えられるんで、自分で全部リフォームしようと。ある程度、壊してもらったり、業者さんに入ってもらったことはあったんですが、基本的には自分でやって、家具は全部、目黒通りにあるような中古家具屋さんで、いろんなモノを少しずつ揃えていって、一からやり直したって感じで。もう引っ越して3年ぐらい経つんですが、できてないところがいっぱいあるんですよ。それがなかなかいいのいが見つからないっていうのがあるんで。

--お仕事柄でしょうけど、いろんなインテリアショップを回っていらっしゃるんでしょう。

大野:ええ、この目黒通り近辺の店は。でも、店が増えすぎて、ひとつの店の内容が薄まっちゃっているんで、大変なんですよ。でも仕入れも大変らしくて、毛色が随分変わってきているんですよ。前は同じようなモノが多かったけど、個性的になりつつあって、かえっていい傾向なのかなと。

--今後の活動のご予定はどうですか。

大野:いま進みたい方向は、和紙の人たちと組んでアート寄りな作品をつくっていきたいんです。美濃和紙はすごく有名なのに、和紙を漉いているだけじゃ食えない人たちが大勢いて、試行錯誤をしている段階なんです。知り合ったきっかけは廃れそうな美濃和紙をなんとかしようとしているデザイナーの知り合いで す。美濃に住み込んで、美濃和紙を使った照明器具などを、別のデザイナーに頼んでコーディネートしてもらったりして、年に1回新宿のオゾンで展示会を やっていたんですね。毎年毎年、新しいデザイナー10人ぐらいに入ってもらって、作品を展示するんですが、その第1回目にボクが参加して、若い職人さんと知り合いになって、これからも一緒にやろうよと。このモンステラの葉の美濃和紙ができるまでに5年ぐらいかかっているんですよ。やっと細かい表現ができるようになったので、これからいろいろ造って行こうという段階なんです。モンステラの和にも合うし、和とモダンというのは紙一重だったりするんで。美濃和紙というのは障子紙の世界なんで、和紙というと素朴でガサガサとした風合いをイメージしがちですが、美濃和紙は均一でスカッとしたクールな風合いなんですよ。それがモダンなモノにも合うんだろなって。

--和紙との融合で、こんなに素敵に表現できるということは、モンステラというモチーフは、他にもいろんな可能性を秘めていそうですね。メジャーになっていって、職人さんたちが食える状況になれば、よりいいモノができそうですね。

大野:そもそもがモンステラの葉の形自体が、あれだけ個性的な形をしているのにいろんなモノに合うというのが不思議なんですよね。ハワイアンの好きな人には熱帯植物なんで当然合うし、こういうミドセンチュリーにも合うし、和室にも合うし、アジアンにも、北欧スタイルも。モノ作りの理想ですよね。それは一体何故なのか、記号学的な観点からでも研究してみたら面白いと思います。他の観葉植物も好きなんですがモンステラはオーラが違う。

--古くからの伝統的なモノをモダンと融合させようとすると、バランス悪くなっちゃう場合があるじゃないですか。やり過ぎ感が出ないのがいいなと思うんです。

大野:ボクは天の邪鬼なところも大きいんですよ。流行っているモノとか見ると、それはそれで好きなんですが、そうじゃないでしょって言いたいところもあって、だからイラスト描くにしても、作品をつくるにしても、まずはマーケティングから入るようなところがあるんですよ。世の中には何があるんだと。 あ、じゃコレはあるからやめとこうみたいな。それなりに苦労したりするんですよ。人とは違うとはいっても、底には接している部分というか、流れには乗るっていうか。やはりバランスですよね。流れは無視してませんね。独りよがりなモノをつくっても仕方ないし。その辺は、人に共感してもらわないとしょうがない部分もあるんで、共感してもらいながら、こんな世界もあるんだって提示できるところが作り手としてはいいですよね。

--ものすごいスピードであらゆる物事が動いてますよね。大事にひとつのスタイルを作り上げていく立場の人たちにとっては、きっと面白くないですよね。

大野:だから、自分のスタイルを持つしかない。世の中的なスタイルもあるでしょうけれど、それにも乗っかりながらも、自分のスタイルみたいなものがあれば、そんなに消費に惑わされる事にはならないですよね。

--時代感覚って、そういうことなんでしょうね。

大野:ボクの場合はモンステラをコアに使っちゃおうっていうんで、それを広めるためにHPをつくったんですが、生活というかライフスタイルを意識させるにはB.R.SHOPのように店舗だけじゃない展開も必要ですよね。

--基本的に業態がセレクトショップなんで、そもそもひとつのモノに固執するタイプの店ではないんです。だからそういう意味であくまでも洋服はライフスタイルの一部。着てもらうことによって、生活を楽しむというのがそもそもの原点。それをまあ、どんどんアピールしていきたいなと思っています。

Ohwa's voice

ボクにとってインテリアは副業にしているくらい、関心の高い世界で、特にモダンな世界は個人的にかなり好きな分野ということもあり、今回の対談は、とても楽しい時間でした。モンステラをモチーフにモダンインテリアと融合するイラストは、モンステラ自体がモダンインテリアに合うので、確かに綺麗ですね。大野さんのホームページも大変参考になりました。

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