吉田／B.R.SHOPさんのオリジナルは、スーツにしろ、ジャケットにしろ、本当に細身具合が絶妙ですね。
大西／身幅のシャープさもいいんだけれど、アームの細さが秀逸だと思うなぁ。たとえばボクのように最近お腹回りが気になってきたからといって、肩回りや腕回りまで急に太くならないでしょ？　フツウの日本人は（笑）。なのにインポートの服って、おしなべてアームが太いんだよね。
大和／あれはひとつには美意識の違いなんですよ。アームが太い方が男らしいという価値観が彼らにはきっとある。でも日本人が着ると、私のように体躯の細い人は一層細く、太った人の場合であっても腕の生地が余ってしまうため、シャープ感に乏しく見えしまう。

吉田／たしかにそうだ。腕の細さは美しいタイトシルエットのひとつの鍵なんですね。
大和／ありがたいことだと思っています。
吉田／あと、モデリストの体型も影響しているかも。モデリストって一般的に自分の体型に近いパターンを仕立てるのが得意なんです。細い人なら細いパターンを仕立てるのが巧いんですが、インポートブランドのモデリストって、私の知る限り、大柄な人が多い気がします。

吉田／ちょっと別の話になるかもしれませんが、それってフィッティングにも言えません？　ガタイのいい店員さんのいるお店って、痩せた人に対してあまり細かくフィッティングを気にしないよう気が……。なぜかというと、自分たちは少々オーバーサイズを着てもそれなりに似合ってしまうから。
大和／うーん、考えられなくもないですね。お客様でインポートの仕立てのいい服を着ている人がいらしたんですが、残念ながら少しルーズなサイズだった。それで私がフィッティングし、適正なサイズのスーツをおすすめしたら、とても喜んでくださった。で、聞くと、今までお持ちのサイズはみんな似たようにルーズなものばかりと言うんです。それまでは某有名百貨店さんを贔屓にしていたようなんですが、そこのお店、私も知っているんですが、販売員さんは皆さんモデル並みに体型のいい人ばかりなんですよね（笑）。

大西／大きいサイズをすすめたほうが後々のクレームに対処しやすいという部分もあるんでしょうかね。大は小を兼ねるから。でも服というものは、サイズがぴったりでないとカッコ良く見えないものなんですけど。
大和／それを大前提に、お客様個々にあった細身の服をおすすめするというのがウチのコンセプトなんです。