高橋みどりさん(以下高橋)/ひょんなことからB.R.SHOPの大和さんと知り合いになったと思ったら、こんな座談会にまで引っぱりだされてしまいました(笑)。B.R.SHOPさんが今回初めてオリジナルデニムを作り、さらにデニムのオーダーサービスまで始めたそうで、それに絡めて女性目線から、男性のデニムについて思うことを話して欲しいとのことですが
。どうしましょう?まずは嫌いなデニムからお二方にうかがいましょうか?
大西杏奈さん(以下大西)/そうですね、ちょっと前に流行ったような破れたタイプは個人的に苦手。若い人が穿いているならまだ許せるんですが、30代以上の人が穿いているのはどうかと思います。
森川さやかさん(以下森川)/あれはもう完璧にアウト・オブ・トレンドですよね。海外の一部のセレブはいまだ穿いているようですけど。
高橋/破れたデニムはじつは私も嫌い。ファッション全体が上品な方向にシフトしていますし、ハズし技としてももうNGですよね。あとセレブの話が出たついでに言いますと、“セレブデニム”とか呼ばれたデコラティブなデニムの時代ってもう終わったような気がしません?
森川/極端なローライズだったりするタイプですよね。たしかにあれは終わってますね。
大西/思うんですけど、男の人のデニムってあまり頑張っていない、普通のタイプが一番いいんじゃないでしょうか?
高橋/普通=王道ってことよね。私も結局はそこに落ち着くんだと思います。そもそも大人の男性って、ワードローブにはクラシックなアイテムが多いはずだから、それらとの相性を考えても、トラッドな雰囲気のあるデニムのほうがいいし。
森川/シルエットはどうでしょう?私、男性がピチピチのスキニーデニムを穿いているのを見ると目を覆いたくなってしまうんですが(笑)。
大西/スキニーって女性のものですよね。あと膝までぴったり脚に貼り付いてて、裾にかけて極端にフレアしているタイプも、ナシかな。
高橋/やっぱり、ストレート、もしくは膝下が若干テーパードしたオーセンティックなタイプが基本じゃないかしら。B.R.SHOPさんのオリジナルデニムもこの2型ですし。
大西/たしかにそうですね。その人の体型に合っていれば若干スリムフィット気味でもいいと思いますど。
高橋/股上が極端に浅すぎるのも、ある程度年齢がいった人が穿くのは辛いと思うなぁ。そういうデニムばかり穿いていると、お腹が出ちゃう危険があること、わかってるのかなぁ(笑)。
大西/逆に、ぐっと上に持ちあげて穿いている人もいますよね。それでベルトをギュッと締めて。
森川/いるいる。ジーンズの前と後に変なシワが寄ってる人。ジャストサイズのものを腰骨にひっかけるような感じで履くのがカッコいいと思うのに。
高橋/女性の場合、デニムのサイズってとても気にするでしょう?それこそ1mmの誤差も許さないっていうくらい。男性の場合、意外と穿ければいいって感覚の人が多いんじゃないかしら。
森川/そういう意味ではB.R.SHOPさんでデニムのオーダーサービスを始めたのはとてもいいことだと思います。
高橋/あ、うまいところに持っていきましたね(笑)。
高橋 みどり
Oens代表
テレビ朝日のファッションリポーターを経て、メルローズのプレスとして活躍。90年バーニーズ ニューヨークの日本進出に伴い、宣伝部ジェネラルマネージャーに就任。97年ジョルジオ アルマーニ ジャパン広報室長を経て、2001年エストネーションをオープンさせる。05年に独立し、さまざまなブランド&ショップのイメージング、ブランディング、コンサルティングなどを手掛ける「Oens(オーエンス)」を設立。ファッション業界人なら知らないものはいない存在でありながら、とても気さくなかたです。
森川 さやか
スタイリスト
某有名メゾンの販売を経て、スタイリストに転身。男性ファッションは、ドレスにしろカジュアルにしろ、トラッドなタイプが好み。とはいえ地味目な着こなしは好きではなく、たとえば年輩のかたが、クラシックなジャケットに、ピンクシャツを着ているような姿にときめきを覚えてしまうとか。
大西 杏奈
オーラソーマ プラクティショナー
OLにして、英国発祥「オーラソーマ」式カラーセラピスト(の卵)という、2つの顔を持つ女性。選ぶ色彩によって、その人のメンタル状況を分析し、感情や肉体のバランスを整えるためのアドバイスができてしまうのです!自身の好きな色はターコイズとピンク。趣味はバッティングセンターという体育会系的側面も。
吉田 巌
ライター/有限会社十万馬力
服、靴、鞄、そして時計、と男性の物欲を刺激するアイテムについて何でもかんでも書きなぐっているライター。イタリアのバイクが好きで、生死の境をさまよう事故に遭いながら、懲りずにベスパでリハビリ中。東京で1番好きな場所は新宿ゴールデン街。遅筆。
大西 陽一
ファッションエディター/RESPECT
エディター的視点からスタイリングのできる希少な存在として、雑誌や広告など幅広く活躍する売れっ子。守備範囲はメンズファッションだけにとどまらず、インテリアやクルマ、雑貨までにも及び、親しみやすいほがらかな人柄が多くの編集者から愛されています。趣味の写真の腕前は相当なもの。