吉田／今回のお題は流行りの軽量ナイロンコートですか。じつはボク、あんまり好きじゃないんですよね。やたら薄っぺらくて、羽織ってるんだか羽織ってないんだかわからない、心もとない着心地が苦手。
大西／そこがいいんじゃないですか。ラグジュアリーな感じがして。このコート、「ヘルノ」ですよね。さすがコート屋さんのだけあって、ナイロン素材であってもツラがちゃんとしているなぁ。
吉田／でもボクはコートにはある程度の重さが欲しいんですよ。それがいかに春モノであっても。あとナイロンってところもスポーツコートっぽくてちょっと……。やっぱコットンギャバとかゴム引きとかクラシックなほうが好みです。

大和／とはいえいまのファッションは“軽さ”が重要なキーワード。冬にダウンが爆発的に売れたのもそうだし、レザーブルゾンだって軽いのしか売れない。それに吉田さんはスポーツコートっぽいって言いますけど、この手の超軽量コートの先駆とも言えるヘルノのものなら、シルエットがキレイなためにスポーツっぽさは全然ありませんよ。ちょっと羽織ってみてください。

吉田／それじゃあ……お、たしかに細いや。コートとしてだけでなくジャケット代わりにも着られそうなサイジングだなぁ。
大西／ね、こういうのが一着あったら、高頻度で着そうでしょ？吉田さんがよく着ているコットンのトレンチなんかよりもいろんなスタイルに合いますよ。
吉田／たしかにこっちのほうがいまの気分かも。あとこのコート、ステンカラーなのに不思議とオッサンぽく見えませんね。
大西／コットンのステンカラーだと真面目になりすぎてしまって、カジュアルに使いづらいでしょ？それがナイロンだと適度に洒落感が出てくるんだよね。加えてヘルノが使うナイロン素材は、光沢感やしなやかさが普通のナイロンコートとは別格。とてもリッチな雰囲気があるんです。

吉田／あれ？　このコート、ポケッタブルですか。
大和／そう、そこもヘルノの十八番。軽やかさが今どきの細身スーツとの相性もいいし、暑くなったら鞄にしまえるしってことで、通勤コートとして求める人が増えていますよ。
吉田／なんだかだんだん欲しくなってしまったのが怖い（笑）。今度皆さんにお会いするときにはコレを着てベスパにまたがってるかも。
大西／せっかく春なんだから、見た目から軽やかに行くべきですよ。