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Backyard Talk Vol.022
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Backyard Talk vol.022 靴磨きの達人が監修した至高のブラシが完成
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吉田/ 久しぶりのバックヤードトークですね。梅さん、元気ぃ?
梅/ 元気ぃ? じゃないですよ。もっと頻繁に更新しろと大和から怒られてるんですから。
吉田/す、すみません。……で、今回のお題は何でしょう?シューシャイナーの丸谷さんがいるところを見ると、また靴磨き関連のネタですか?
梅/ 当たり。じつはB.R.SHOPでこのたびスッゴイ靴ブラシの取り扱いを開始したんです! それを企画したのがこの丸谷さん。
吉田/ スッゴイって、どこが?
梅/ このブラシ、“白馬毛”を使ったブラシなんですよ。
吉田/ 白馬毛?
丸谷/ ここからは私が説明しましょう。白馬毛とは白馬の尻毛のことで、“本毛”とも呼ばれるものです。
吉田/ 普通の馬毛ブラシとどう違うんです?

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丸谷/ 以前このコーナーに私が登場したとき、本格的な靴磨きには、汚れやホコリ落とし用の馬毛ブラシと、クリーム伸ばし用の豚毛ブラシの2本が必要だと説明しましたよね。馬毛は毛質が柔らかく、ウエルト部分やステッチに詰まった細かい汚れを弾きやすい。対して豚毛はコシがあるので、クリームを革表面に均一に伸ばすのに適している。だからその二つを使い分けるのがベストだと。
吉田/ そうでした。ボクのように豚毛ブラシ1本で靴磨きのすべてをこなしていちゃダメだと……すみません、買おう買おうと思っているんですが、いまだブラシ1本で済ませてました(笑)。

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丸谷/ このブラシはそういう不精な人にぴったり。白馬毛は、馬毛のような毛先の柔らかさと、豚毛のコシの強さを兼ね備えているため、これ一本で靴ケアの最初から最後までこなすことができるんですよ。
吉田/ へー、そりゃあ便利。
丸谷/ 最近の靴は、超高級なカーフやコードバンといったデリケートな素材を用いているものが多いので、クリームを伸ばすときに豚毛ブラシを使うと、傷がついてしまうこともあるんですよ。だから靴によっては馬毛ブラシでクリーム伸ばしをしていたんですが、やっぱりコシが足りない。それで目をつけたのが白馬毛。結果的に1本ですべて間に合ってしまう経済的なブラシができました。

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梅/ 作りも非常にこだわっているんですよね。たしか江戸時代から続く老舗のブラシ屋さんが手掛けていて、白馬毛を1本1本手植えしているとか
丸谷/ 手植えでないと一穴一穴にこれだけの量の毛を植えることができません。作っているのは、享保三年創業の「江戸屋」さん。ご高齢の職人さんが、最後のニス塗りまで、全部を手作業で仕上げています。だからとても耐久性があり、使っているうちに毛先がバラつくなんてこともありません。私のようなプロのシューシャイナーが使っても、ゆうに5年は持つでしょう。
梅/ ただ、丁寧なハンドメイドだけに、月に20本ほどしか作れないのが難点。いまお客様にオーダーしてもらっても、在庫がない場合は少しお待ちいただくことになってしまいます。

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吉田/ お値段は?
梅/ 1本4,725円。手間のかかり具合からすれば、ほとんどバーゲンプライスだと思います。
丸谷/ なにせ開発に半年かかっていますからね。毛先の長さも私がとことんこだわったところで、20~30㎜までいろいろ試し、最終的に25㎜に行き着きました。靴磨きのすべての工程に使うにはこれが最高のバランス。
吉田/ 靴好きにとってまさにマストアイテムってわけですね。でも、丸谷さん、こんなの売っちゃったら、商売あがったりじゃないですか? みんな自宅で靴磨きしますよ。
丸谷/ あ、そこは考えなかった(笑)。

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丸谷 誠さん

丸谷 誠さん

シューシャイナー

著名な方にも支持される凄腕シューシャイナー。巧みなクリーニングで本来の革質に戻した後に実施される独特の靴磨きは、1足について50分を優に超えるほど丁寧です。彼の手にかかった靴は、新品状態よりも格段と輝きを増します。しかも磨きだけでなく、革色を変えることも大得意!現在、火曜日の午後4時から8時まで、日曜日の午後12時から4時まで、B.R.SHOPのディスプレイスペースで実演会を行っていますので、その神技を見たい人は是非!

吉田 巌

吉田 巌

ライター/有限会社十万馬力

服、靴、鞄、そして時計、と男性の物欲を刺激するアイテムについて何でもかんでも書きなぐっているライター。イタリアのバイクが好きで、生死の境をさまよう事故に遭いながら、懲りずにベスパでリハビリ中。東京で1番好きな場所は新宿ゴールデン街。遅筆。

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