ボトムスに上品なウールパンツを合わせるようなドレス方向の着こなしのときは問題ないのに、デニムを合わせるといまひとつ垢抜けない感じがする
。万能に思えるジャケットですが、意外とそんな悩みを抱えている人が多いようです。これはひとつにジャケット選びが間違っていることが考えられます。厚めの肩パッドが入るなどコンストラクションがしっかりし、デザインもオーソドックスなカッチリ系のジャケットは、着崩すのが難しいもの。この時期ならとくに、パッドなし、背抜き仕立ての軽やかな一着を選ぶべきでしょう。写真のモデルが着用しているサルトリオの一着はまさにそんなジャケット。軽快感を高めるやや短めの着丈や、トレンド感のある英国調のグレンチェック柄も味方し、今っぽいカジュアルスタイルを作り上げてくれます。
インナーにシャツを合わせるのなら、こちらもカッター然としたカッチリ系は禁物。失敗したクールビズみたいな雰囲気になってしまいます。コーディネートで合わせているのは、140双糸というバツグンにしなやかなコットン生地でできたB.R.Practical Styleの新作細身シャツ。タイドアップもこの上なくエレガントにまとめてくれる一着ですが、ステイを抜くと襟がいかにもナポリのシャツ的な柔らかなロールとなり、狙い通りのカジュアルなニュアンスを醸し出すことができるんです。そして胸元には無造作にチーフをオン。じつはここに使ったフランクリンミルズのチーフはマルチカラータイプとなっており、挿し方によってさまざまな色味をのぞかせることができる使える逸品なのです。
ここまでくれば、ボトムスは定番の501でもいいのですが、ここではただ今大人気のヤコブコーエンをチョイス。ベルトも旬のメッシュタイプとし、一層のトレンド感を注入しました。
じつは今回のスタイルは、タイトルにもある通り、今のイタリアの伊達男たちの間でよく見られるジャケットの着崩しがお手本。カジュアルな中にもしたたかに品の良さを潜ませているので、レストランで食事、なんてシーンもこなしてくれます。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 吉田 巌 / 有限会社 十万馬力
複数の色味で構成されるマルチカラーチーフは、1枚でさまざまな色調のスーツやジャケットに合わせることができます。ご覧のように無造作に挿して、あえてさまざまな色味がのぞくようにしてもお洒落です
腰まわりを今っぽく演出したかったら、メッシュベルトはマスト。スタイル全体を軽やかに見せ、春夏に求められる涼感演出にももってこいです。
B.R.Practical Styleの細身シャツに、140番手双糸使用によるバツグンにリッチな着心地の新作が登場しました。もちろんシルエットはご好評の細身をキープ。ジャケットの中でもたつかず、脱いだ姿もとびきりシャープです。