スーツやジャケットの上にサラリと羽織ってもサマになる上品さも備えている……そんなバランスの良さから、キルティングジャケットはこのところすっかり冬場アウターの定番となっています。ダウンほどモコモコした見た目とならないところに目を止め、自分も今年はこの英国乗馬用ジャケットに端を発するアウターを一着、なんてかたもいらっしゃるんじゃないでしょうか。そこでおすすめしたいのがご覧のモデルです。キルティングジャケットのファッション的な懐の深さを、一層アップさせた傑作です。
手掛けたのは、ゴム引き防水素材で知られる英国「マッキントッシュ」。レインコートを全天候型のお洒落アウターへと昇華させてしまった巧みなデザインワークは、今回も炸裂しています。すっきりした細身&ほどよいショート丈でありながら、中にはジャケットをしっかり着込むことができるほどよいゆとりを確保。まさに最近のマッキントッシュ製コートに通じる秀逸なサイズバランスと言えましょう。
素材も魅力的です。よくあるナイロンではなく、軽量ツィード製なんですね。だからカジュアルはもちろん、ドレス系アイテムと抜群に馴染みが良く、羽織ったときの佇まいも通常のキルティングジャケットよりずっとクラシカルで、大人っぽい感じ。立てても寝かせてもカッコよくきまるコーデュロイ襟も、着こなしの幅を広げてくれそうです。
もちろん、風を通さず、中綿により抜群の保温力を発揮してくれるため、ご覧のように、上質なタートルの上に直接羽織るすっきりとした着こなしもOK。ツィードの素材感が、旬のスエードチャッカーとぴったり馴染んでいるところも見逃せません。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 吉田 巌 / 有限会社 十万馬力
キルティングジャケットと言えばナイロン製が主流で、そのカジュアル感がいまひとつ気に入らなかったという人も多いのでは？ その点こちらは軽量なツィード素材を使用。よりクラシックな味わいがあり、ドレス系アイテムとも違和感なく馴染みます。
中に着たのは「デラチアーナ」のタートルのみ。キルティングジャケット自体がスリムシルエットだから、こういうすっきりしたコーディネートがバランスよくキマります。
もちろん細身のパンツにもジャスト。こちらはご存知パンツ専業ブランド「インコテックス」の美しいシルエットの1本。コットン素材が適度なカジュアル感を醸し出し、さまざまな着こなしを受け止めます。
