上品でありながらカジュアルにも合わせることができるコートをお探しなら、今は“スポルベリーノ”が最高です。これは、イタリア男たちの間で最近流行っている、芯地を極力排した1枚仕立てのテロテロのウールコートのこと。ニットやシャツの上に直接羽織ってもサマになる細身シルエットで、軽快に闊歩できる短めの丈というのが鉄則です。
写真でモデルがデニムの上に羽織っているコートは、そんな旬のスポルベリーノの典型と呼べる一着です。基本デザインは、エレガントコートの代表格、チェスターフィールドを踏襲。カシミアを30%混紡したリッチな生地もバツグンにドレッシーです。それでいて、ライトな仕立てとスリム&ショートなサイズバランスにより、ご覧の通りデニムスタイルにもジャストマッチ。むろん従来のロング丈のチェスターを引っぱり出してきても、この軽やかな雰囲気はけっして出せないでしょう。
実はこれ、「B.R.Practical Style」オリジナルのコート。やりすぎでない絶妙な細身サイジングを採用した、シャツ、ニット、ジャケット、スーツなどがすでに大好評ですが、その経験値が今回もいかんなく炸裂! 美しいタイトシルエットでありながら、中にジャケットをギリギリ着用できるだけのゆとりを確保していたり、ウエスト位置をやや高めに設定することで脚をすらり長く見せたりと、モディファイの技が冴えまくりです。多くのチェスターコートに見られるドレッシーなバックベルトをあえて排したところも、よりさまざまな着こなしを楽しみたい人には魅力でしょう。
しかもお値段は5万円台と抜群にリーズナブル。カシミア混のリッチな生地使いを考えたら、まさにバーゲンプライスです。サラリと羽織れる上品コートが欲しいかたであれば、ちょっと見逃せないではないでしょうか?
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 吉田 巌 / 有限会社 十万馬力
中にジャケットを着ず、ニットの上に直接羽織っても絵になる細身なサイズバランスを採用。このようにジャケット感覚で羽織れるのが、スポルベリーノの魅力です。
見た目はクラシックなチェスターフィールドでありながら、芯地を極力廃した設計で、裏地も用いていません。過剰にカッチリしていないからこそ、カジュアルな着こなしにバッチリはまるのです。
Vゾーンを小粋に演出したかったらマフラーは欠かせません。この巻き方はいまお洒落な人の間で流行っている通称フィレンツェ巻き。詳しい巻き方については、「大西さんのスタイリング講座」をご参考に!