IVY復権の影響か、はたまた加速する猛暑に対する破れかぶれの自衛策か、この夏は世界中の洒落者の間でショーツスタイルが爆発的に流行しています。今回はこの爽やかなスタイルをモノにするためのツボを伝授しましょう。
まず肝心のショーツですが、間違ってもアウトドアブランドが作るような、ダボッとしたシルエットで裾がブカブカしたタイプを選ばないこと。たしかに涼しさ満点ですが、品格に欠けます。ここはドレスパンツ専業メーカーのものを選びましょう。ご覧のモデルが穿いているコットンリネン製ショーツは美脚パンツの代名詞「インコテックス」製。このくらいの細身で、膝上丈のものが大人っぽく決まります。
そして上には必ず襟付きのシャツを選ぶこと。首の伸びた半袖Tシャツなんかじゃダメです。パンツで脱力しているんですから、ある程度のドレス感を醸し出さねばなりません。ポロシャツでもいいんですが、ここはさらなるお洒落上級者を目指し、「バルバ」のプルオーバーシャツを合わせてみました。長袖を暑苦しいと感じる人もいるかもしれませんが、こちらは涼感ある上質なリネンを使用。非常にエアリーな素材感で、見た目も着心地も、半袖シャツより涼しげにまとまることうけあいです。
さらに足元も肝心。ショーツにはレザーサンダルを合わせがちですが、一歩間違えると夏休みの小学生みたいな雰囲気になってしまうことも。ここはレザースリッポンの素足履きをおすすめします。実際イタリアでもショーツに革靴はお約束のスタイル。とはいえ表革のローファーなんかだと抵抗ある人もいるでしょう。その点ご覧の「ディメッラ」のスエードデッキのように、カジュアル感の高い靴であれば違和感ありません。
いかがでしょう? ある程度お年を召した人だと、ショーツに気恥ずかしさを感じる人もいるかもしれませんが、アイテム選びにちょっとこだわるだけでこんなにも上品にまとまります。猛暑はまだまだ続きそうですし、一刻も早くトライしてみてください。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 吉田 巌 / 有限会社 十万馬力
ナポリ製ドレスシャツの最高峰「バルバ」が手掛けたものだけあり、作りは一切隙ナシ! 上質なリネン素材で作られており、洗えば洗うほど、ガーゼのような柔らかな風合いになるところも魅力です。
コットン55%+リネン45%の生地を用いているため、汗をかいても脚にぺったりと張り付かない「インコテックス」のショーツ。同社のスラックスと同じく、美しいシルエットで作られています。
持つ鞄によってスタイルの印象はかなり変わるもの。同じトートであっても、キャンバス製ではなく、レザー製を選ぶとぐっとドレッシーに見えます。こちらの「チンクワンタ」初のトートは、高級メゾンも使用する高級なピッグスキンを使用。内側にはヘリンボーン柄のコットンライニングが張られ、高級感たっぷり。