ブルゾンは、この時期1枚あるととても重宝するアイテム。いつものジーンズにポロシャツ,B.D.シャツという格好の上に羽織るだけで、スポーティーかつスマートなカジュアルスタイルが完成します。代表的なものを上げてみると、アメリカはスタジアムジャンパー、イギリスはG9タイプのゴルフジャンパー、イタリアはヴァルスタータイプと言われているレザーのブルゾン。
今回は、人気の高いヴァルスタータイプのブルゾンを中心にコーディネートしてみました。デザインの特徴は、襟がリブ編みのスタンドカラーになっていて、前合わせがボタンになっている所。このタイプのブルゾンは、イタリアでとてもよく見かける休日着で、どこの街の洋服屋にも必ずあるようなもの。そのため、お洒落なイタリア人からすると、クラシックでオヤジ臭く感じる為かあまり人気がないようです。事実イタリアのファッションスナップでは、あまり見かけないはず。しかし、日本ではこれが逆に新鮮に見える所がファッションの面白い所。とにかく日本のセレクトショップのバイヤーやインポーターの編集能力が高く、コーディネート提案は本当に独特で面白い。ヨーロッパのバイヤーはプライドが高いから褒めはしないけど、かなりアイディアを取り入れてるはずです。
さて本題のこのブルゾンですが、「LORENZO ASOLA(ロレンツォ アゾーラ)」というイタリアのブランドで、何と8万円を切る驚きのプライス!しかも、この値段で革のクオリティーは10万円台のものと変わらない。もう一つのポイントはシルエット。袖が全体的に細く、脇腹も普通なら樽型に膨らむところをストレートに仕上げているところ。
パンツはこの時期ブルーデニムやコットンパンツを合わせがちなところを、あえてホワイトデニムに。下半身をホワイトにする事で、ブルゾンの質感とバックスキンならではのシックな発色が際立ちます。コーディネートのアクセントには、「LEON(レオン)」が完全別注した小ワザ満載の「aniary(アニアリ)」ショルダーバッグを。単品で見るとかなりインパクトがありますが、このようにコーディネートすると全く違和感なし!
スタイリング・文 : 大西 陽一 / RESPECT
今回取り上げた「aniary(アニアリ)」は、東京は浅草のブランドで、作り込み、革の選び方、デザイン力、どれを取ってもイタリアものと比べても引けを取らないレベル。特に、持ち手やその周辺の金具等の仕上げは、丁寧で長年の使用に耐える作り込み、イタリア物のきゃしゃな作りにヒヤヒヤしてきた人には感動ものです。あのレオンが、こんなの作って!と企画を持ち込んで完成させた(レオン11月号P.318に掲載)のがこのミニサイズのボディーバッグ。財布、携帯に"+α的"なサイズが、週末のお出かけにぴったりです。
40年近くイタリアのヴィチェンツァでレザーウェアを専門に手がけているファクトリーブランドが、満を持して手がけた自社ブランド。ベーシックなヴァルスター タイプのブルゾンですが、表面のぬめりと起毛の均一感、そして革とは思えないしなやかで軽い着心地と細かな所にこのブランドならではのポイントが隠されています。ポケットはフラップポケットの横に、スリットポケットが付いているので、急に寒くなった時にハンドウォーマーとして使えます。
上半身と足元も同じような素材にする事で、秋らしいコーディネートを強調。とは言っても、レザーソールのスエードチャッカブーツでは、組み合わせが教科書通りだし、全体に茶が多すぎ! 上半身のブルゾン&バッグの品の良さを強調する為に、ここはダークグリーンのチャッカブーツを選択。デッキシューズのように薄いラバーソール、色がホワイトなので全体的な見え方が、スポーティーでトレンディーな見え方に。