最近のメンズファッション誌は、何かとハリウッドセレブのスタイルを取り上げる事が多くなっていますが、その中でも注目コーディネイトはフォーマルコートとスポーティーなインナーとの組み合わせ。よく見るのは、パーカーにジーンズ、足下はスニーカーといった格好に、カシミアやキャメルなどの光沢感のあるクラシックでいかにも値の張るコートを羽織るスタイル。個人的には、こうしたフォーマルコートの着崩しのお手本は、1973年公開のマーロン・ブランド主演の映画「ラストタンゴ・イン・パリ」(監督はベルナルド・ベルトルッチ)がナンバーワン。マーロン・ブランドがよれよれのウールのコートをラフな服の上に着てパリの街をさまよっていたシーンがあったのですが、これを初めて見たとき私は、こんなコートの着方があるんだと感激したことを今でも覚えています。それからというもの冬になると、いつも気分はマーロン・ブランドのようにコートをカジュアルに着崩し、モテたい
♥と妄想していました。話がそれましたが、今回のポイントは、一見フォーマルに見えるコートも着こなし次第で、カジュアルに着回せるということ。
今回のこのコーディネイトは、パンツにホワイトのファイブポケットを持ってくることで上品さはキープしつつ、コートを脱いだ時はカシミアのフーデッドパーカともバランス良くラグジュアリーでスポーティーに見えるようにしています。パンツをブルーデニムにするとワイルドでカジュアル感がより増し増すが、シルエットはスリムでクラッシュしていないモノをチョイスするのとハリウッドセレブに近づけるはずです。
スタイリング・文 : 大西 陽一 / RESPECT
マフラーの巻き方もちょっとした工夫でいつもと違った雰囲気を。シャツの襟を立てその周りにマフラーを二重巻き、最後に襟を折り曲げてアクセントを付けています。これは、インナーがポロシャツの時も使えるテクです。ネクタイのルーツといわれているクラバットを首に巻き付けていた19世紀の貴族のネックスタイルを現代風にアレンジしたものです。
コートの下に着ているパーカは、イタリアのニットブランドのジェイ フォー ジェームのもの。カシミア製でダブルジップ。フードの部分が表と違う色になっているので、コートの外にフードを出した時ポイントが出来ます。
インコテックスのチンクエタスケのコーデュロイパンツは、ポケットが斜めに空いたスラントポケット。このポケットは、ジーンズに良くあるデザインのものと違い、ポケットの中のものが取り出しやすいのが特徴。細うねのコーデュロイ素材は、ストレッチが効いているのでドライブの時快適です。