皆さまは、今イタリアのお洒落な男たちが次なるトレンドとして何に注目しているかをご存知でしょうか? ブリティッシュ? 確かにそれもファッションのキーワードになっていますよね。フレンチ? 確かにエレガンスを語る上ではこれも欠かせない。そのどれもがまったくもって的外れってワケじゃございません。でもですね、実は今、彼らがもっとも気になっているファッショントレンドはというと、ズバリ、アメリカ的なテイスト、にすこぶるご執心なわけでして。ともすると艶っぽいイメージのあるイタリアンスタイルの中に、野趣溢れるワイルドなアメリカンスタイルがマッチするのか、との疑問も聞こえてきそうですが、ソレは上のコーディネートをご覧いただければご納得いただけるところかと。そういう着こなしがうまく成立させる秘訣は、素材と仕立てや、そしてシルエット選びにあるわけでして。というのも、彼らが欲しいのは、あくまでアメリカ的なフレーバーで、素材や合わせ自体はとても男らしい雰囲気なんですが、仕立てやシルエットでイタリア的な艶っぽさをキープしていることで、かようなハイブリッドな着こなしが成立しているのであります。考えても見てください。ワークやミリタリーとしての出自を多く持つ本気のアメリカンカジュアルなアイテムは、当然ながら雰囲気だけじゃなくそのシルエットもすこぶる骨太。そんなものをテーラード仕立てのジャケットに合わせるのは至難の業、ですよね。なので、あくまで素材感や合わせのみ骨太感を抽出しつつ、シルエットはイタリア的なセクシーな方向に寄せていく。こうすることで、二つの相対する要素が歩み寄っていき、自然とマッチングもよくなってくる、というわけなんです。“アメカジ”なんて言葉を聞くと、昔懐かしく思われる方もいらっしゃるかもしれません。そう、まさしくこれは、昔“アメカジ”の洗礼を受けた皆さまにこそ馴染みのあるスタイル。昔取った杵柄を最大限生かしつつ、旬なジャケパンスタイルを実践しちゃってくださいませ。
写真 : 小林孝至(FOREST)
スタイリング : 梶谷 早織
ヘアメイク : 吉田葉づき
文 : 寺田慎一(GtN-48)
デニムをチノパンへと変更したコーディネートは下記よりご覧頂けます。
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Recommend Style vol.170 Casual Style other cut
大柄のチェックジャケットのインナーに忍ばせたのは、その素材感が何とも骨太なダンガリーのシャツ。なんですが、柔らかな襟の作り等はすこぶるイタリア的。ゆえ、派手柄のテーラードジャケットにもすんなりハマるというわけです。
ともすると野趣溢れる印象が強まってしまいがちな合わせでもありますので、大振りのバッグや上質なアクセサリーを合わせることで、さり気なくも確実にラグジュアリーな雰囲気を醸し出す方が良いでしょう。これが大人の貫録ですよ。
ウォレットチェーンは着こなしにこなれ感と骨太感をプラスしてくれる、本当に使えるアイテム。ゆえ、こういうジャケット×デニムといった合わせなんかには本当にモッテコイ、なんですね。一本持っているとかなり重宝しますよ。