最近、どのファッション雑誌でも今季のトレンドとばかりにダブルのジャケットの姿に身を包むイタリアスナップやコーディネート提案がされていますが、その多くがデニムシャツや軍パン、デニムに合わせたカジュアルコーディネートが中心ですよね。そこで今回、スタイリスト大西氏にはダブルジャケットをどこまでビジネスシーンで着こなせるか、というテーマでコーディネートをしていただきました。しかし、実はこれには裏テーマがあるのです。それは、女性とのデートに絶大なる効果を発揮するのがこのジャケパンスタイルなんです。レストランによってはレザージャケットではハードすぎるし、スーツではなんだか芸がない・・・・。いわゆるグランメゾンほどではないにしても、話題でHIPなレストランに行く時の装いはなんだか迷ってしまいますよね。集まる人もそれなりの洒落者ばかりですし。先月、私がパリでオープンしたばかりの話題のレストラン『RESTAURANT TOYO』に足を運んだ時のこと。日本人シェフが腕を振るうカウンターフレンチの店なのですが、オシャレな業界人や地元のグルマン、かの有名なトップメゾンのCEOまで足を運ぶという、とにかく今をときめくレストランなのです。店内を見渡すと、彼女とデートを楽しむ日本人男性や会食で訪れた男性が目に入ったのですが、みな一様にスーツに身を包んでいたのです。私がその時感じたのは、「やっぱり日本人って真面目だな~」と。せっかく海外に来たのだから、いつもと違う着こなしに挑戦して、異邦人気分を満喫しちゃえばいいのに・・・と思いました。やっぱりTPOに合わせて、ときには冒険してみることも大切ですよね。一緒に行ったパートナーがスーツではなく今回のコーディネートのように素敵なジャケットをスマートに着こなしていたら・・・・それだけで惚れ直してしまいそうです。それは決して言い過ぎでもなく、海外に行ったら女性もいつもと違う雰囲気を楽しみたいから大胆に洋服を変えたいし、そういう気分に付き合って一緒に楽しんでくれる男性はとっても魅力的です。そうそう、こちらのジャケパンの合わせは大西氏も出張のときに重宝しているそう。飛行機はデニムで寛いで、仕事や会食ではスラックスに履き替えるといった使い方ができ、汎用性にも優れているので、普段スーツが多い男性にこそ試してほしいですね!
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 大谷 繭子
袖のボタンをあえて開けたり、小剣の位置をずらすといった、あえてハズすのがイタリア男の常套手段だそう。ここではボタンダウンのボタンをあえて外して、イタリア男のテクニックをさりげなく拝借。こうすれば一見、レギュラーカラーのようにも見えるのでカジュアルに偏りすぎるのを防げるという粋なテクニックなんです。
ダブルのジャケットはボタンを留めたときに、ウエストにシワが寄るくらいピッタリした、タイトかつ着丈が短いものを選ぶのが、オジサンくさくならず、新しく着こなすコツです。合わせたのは、美脚パンツとして知られているインコテックスのパンツ。実は女性目線として気になるのが、男性の後ろ姿を見たときの、お尻の下のフィット感なんです。こちらのパンツは日本人の体型に合わせたシルエットで細いのに腰回りはすっきりダボつかず、お尻周りが綺麗に見えます。
女性もそうですが、やっぱり一番目がいくのは靴でしょう。「この人、オシャレな人」と思っても、靴をみてがっかりすることも多いので、靴が抜かりない人はやっぱり素敵です。せっかくのジャケパンなので靴も重い表革ではなく、軽快に履けるローファーを。スエード素材を選べば一気に今年らしい雰囲気になります。