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ACROSS THE BORDER Vol.2【前編】
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スペースコンポーザー
谷川じゅんじ
>Vol. 002(後編)

スペースコンポーザー
谷川じゅんじ
>Vol. 002(前編)

マネックスグループ株式会社代表取締役社長CEO 松本 大
>Vol. 001(後編)

マネックスグループ株式会社代表取締役社長CEO 松本 大
>Vol. 001(前編)

“人は人に興味をもち、人は人で喜ぶ”そんな、アルバイトの時の経験が今の仕事の原点。

谷川 建築やインテリアの専門的な勉強をしてきたわけではないので、とにかく実践するしかないという意気込みでディスプレイ会社に入りました。それが前職の「ムラヤマ」という会社でした。

アンディ あらゆるイベントの空間装飾を手がける会社ですよね?

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谷川 そうです。業界大手と言われるところで、国葬や宮内庁、総理府、公の場づくりのほとんどを行っている老舗の会社です。そこで広告代理店の営業職に就きました。セールスプロモーションという領域の仕事で随分と鍛えられましたね。

アンディ 具体的にはどんなことをやっていたのですか。

谷川 それこそイス一個の手配から万博のパビリオンまで、ある目的を持って場を作るという仕事をずっとやってきました。大きな投資や、時間がかかるハード作りをやらせてもらって気づいたのが、“人の満足”と“時間をかけた投資”の両方を掛け合わせるところが質を上げていくうえで大切なスキルなんだけれども、それをやる人は意外に少ないということ。

アンディ 今の時代、虚飾の幸せや満足感は蔓延しているけれども、それこそ本当の充足や幸せを提案している会社は実際には少ないですよね。

谷川 そこに何か物足りなさを感じた人がうちのJTQに興味を持ってくださっています。今まで10年間ひたすら続けてきたことによって作品、形が残るから「あっ、JTQはこういう事ができる会社なんだな」と、逆にマーケット側の方がうちの会社のポジションをほぼ決めてくれつつある。色々な方面から人物像、会社のキャラクターを逆にデザインしてもらい、うちの使いかたをきめてもらう。かなり他力本願で生きている会社ですよね(笑)

アンディ 僕もじゅんじさんの作品をミラノサローネでみたことがあるけれど、谷川さんのディレクションされた空間はパッと見て、「谷川じゅんじが作った」と強烈に印象に残るものではなく、実は谷川さんが仕掛けていたものだったと、後で知ることが多いんですよね。

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谷川 僕はアーティストというより、完全に裏方ですね。僕の仕事には必ずクライアントがいるので、彼らの依頼内容を聞いてただ作品を作るだけではなく、悩みをいかに解決しながら見せるかを一緒に考えていきます。

アンディ 例えば某有名建築家やインテリアデザイナーが手掛けたモノは一様に強烈な個性を放っている。でも谷川さんの場合、あくまで空間の主役をそこにいる人とクライアントとの化学反応と考えるから、完成した時にそれぞれが全く異なる場所で光る、魅力的なものに仕上がってくるんですね。それこそプロジェクトやクライアントも世界中にいて、政府機関から企業、ブランド、飲料、クルマと色々やっていらっしゃるけど、どれがいちばん印象に残っていますか?

谷川 パリのルーブル美術館でやった感性展は面白かったですね。日仏交流150周年を記念したイベントだったのですが、ルーブルって世界からみても特別な立ち位置をもった場所だし、いわば人の美意識が集積したアイコンですよね。そこで日本の感性を伝えるという展覧会はやりがいもあって面白かったですね。




TANIGAWA’S WORKS

JTQ 10TH ANNIVERSARY ARTIST BOOK
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2002年の設立以来、「空間をメディアにしたメッセージの伝達」を考える集団としてコミュニケーションを創造する場づくりに深くコミットしてきたJTQ。 10周年を迎えた、そのクリエイティブの軌跡を記録したアーティストブック。シンガポールを代表するアート・ディレクター、テセウス・チャンのデザインによる、スペースコンポーザー・谷川じゅんじの哲学、思考、クリエイションの解き明かした本というカタチのJTQエクスペリエンス。



TANIGAWA’S STYLE photo

「基本的にカジュアルな服が好き」という谷川氏のスタイルはやはりライフスタイル同様、一ミリの無理もない。今日は好きなものばかりというアイテムは、カーディガンはCommune de Paris、シャツはKENZO、デニムはLANVIN、シューズはドメスティックブランドのN.G.R.のもの。足形からとるフルオーダーのため抜群の履き心地だそう。 「ブランドはこだわりません。ただ街をふらっと歩いて面白い素材感やアイテムを探したりするのが好きですね。友人から教えてもらう事も多いですよ」





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