6月です。ジューン・ブライドを夢見る女性によって、一年で一番結婚式が多くなるシーズンです。そんなわけで今回のドレススタイルでは、披露宴でちょっと差の付くスーツスタイルをスタイリスト大西さんに提案していただきました。
ここで何よりもまず注目していただきたいのがスーツ。大西さんは、複雑なシャドーストライプがほどよい光沢を放つダークネイビー地の一着を選んでいます。披露宴に出席する際はブラックスーツを絶対に着なくてはならないというルールはありません。なのに横並びが大好きな国民性ゆえか、出席する男性は黒の冠婚葬祭スーツばかり。もちろん、必要以上に目立つことはNGですが、このくらいダークな色調であれば、けっして礼を失することはないでしょう。しかもこのスーツは泣く子も黙るベルベスト製。クラシックとトレンドが絶妙バランスした完璧なデザインは、披露宴の席にふさわしいフォーマル性もしっかりたたえています。
続いてVゾーンも技アリです。大西さんのセレクトは、身頃にストライプを配したクレリックシャツと、遠目には無地に見えるほど細かいドット柄の入ったシルバーグレイタイとの合わせ。白シャツ+明るめのシルバー無地タイという定番の合わせを避けつつ、ハレの雰囲気を醸し出しているのがさすがです。これで、シャツが通常のストライプシャツだったり、タイがシルバーのレジメンだったりすると、スーツが紺ストということもあり、とたんに普段のビジネススタイルと変わらなくなってしまうはず。まさに絶妙のサジ加減といえるでしょう。
いかがですか?フォーマル大事典っぽいド定番の披露宴スタイルから脱却したいのなら、是非参考になさってください。ちなみにチーフは、B.R.SHOPのプレス、U氏が得意とする独特の方法で挿しています(畳み方については「大西さんのスタイリング講座 番外編」として紹介)。通常のスリーピークよりも柔らかい感じにまとまるので、こちらも合わせてお試しください。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 吉田 巌 / 有限会社 十万馬力
シルバー無地のタイは結婚式の定番ですが、年輩の方が締めているような明るめのタイプではなく、ややグレイがかった色調を選ぶとお洒落に見えます。こちらの「ジャネッリ」のタイはそこに加えて細かいドット柄が施されており、なおさらクールな雰囲気をモノにできます。
誰もが着てる白シャツじゃ芸がありません。とはいえストライプシャツでは普段のスーツスタイルと変わらない印象に。そこで活用したいのが、身頃にストライプが施されたクレリックタイプ。トレンド感も醸し出せます。
さすが「ベルベスト」、素材にも抜かりありません。スーパー140'S素材を使用したしなやかなダークネイビー生地には生地繊細なシャドーストライプが施され、ほどよい光沢を放ってくれます。