最近の、メンズ ファッション誌を見ているとスーツの特集が減り代わりにジャケットの特集が目立っている。なぜこうなったかと言うと、不況のこのご時世もう既にある程度揃っているスーツは、買い控えられる傾向が予測されていたので、目新しいジャケットで読者の興味を引こうという作戦が編集者サイドあったようだ。それと、今期はジャケットのバリエーションがとても広く、その中からトレンドを発信する個性的なアイテムが登場した事も見逃せない。例えば、ボリオリのツイードのピークドジャケットやマージャーズのニットのダブルジャケット等は入荷と同時もしくは、入荷前に完売という人気だった。どちらも、かなりエッジの効いたもので、ビジネスシーンで着られる人はかなり少ないデザインだったが売れに売れたらし。マージャーズに至っては、日本の代理店が必死になってイタリア中でかき集め、最近、再入荷させたというほどの加熱ぶりだった。 さて今回ここでは、逆に入門者向けのジャケットを取り上げてみました。セレクトのポイントは、ビジネスにもオフの日にも着られるという点。茶系のジャケットは、グレーのウールのパンツにはもちろんの事、デニムのパンツにも合わせやすい。これが紺系だと、デニムの色とジャケットの色とのバランスをとるのが案外難しく、うまく合わせないとメリハリのない冴えないスタイリングになってしまいます。B.R.SHOPオリジナルのこのジャケットは、2パッチポケットになっているので、インナーをタートルセーターにすれば急にカジュアル感が増すというこだわりのデザイン。実は、シャツがマリオ ムスカリエッロのB.D.シャツなのでこのままパンツをデニムにして、ネクタイをはずせば、休日に星付きレストランに行くなんていう事もこなせる組み合わせになっています。靴は、英国テイストの茶靴を選べば問題なし。濃茶のスエードのチャッカーブーツなら、ビジネスでもカジュアルでもコーディネイト可能です。
今回のジャケットは、イタリアのビンテージ生地（ウール）で凹凸感のあるバーズアイ柄を使っているので、シルクタイよりは起毛感のある素材のものをコーディネイトするとVゾーンがマットな質感にまとまり、とてもシックでリッチな感じを演出できる。
インドに起源を持つペイズリー柄をシルク生地にプリントしたフランクリンミルズのチーフ。その昔、日本ではネクタイとチーフの柄が同じものを身につけるのがお洒落だ！という人がいましたが、今はネクタイの色目とチーフの色目を揃えるくらいがちょうどいいのでは。このとき、チーフは無地にするとコーディネイトが簡単です。今回のようなレジメンタイにペイズリーのポケットチーフというパターンは、どちらかと言うとハイレベルの組み合わせ。
スエードのチャッカーは、グレーのウールパンツ、カーキのチノパン、ブルーデニム、ワインレッドのコーデュロイパンツなどなど幅広くあわせられる万能靴。パンツのスソは、カジュアル（デニムはのぞく）では4.5〜5cmのダブルで靴紐の結び目が見えるくらいに短く上げるのがイタリア流。日本のビジネスシーンでは、写真のようにシングルで上げるとスマートでオフィシャルなイメージに見えます。
