職業柄、雑誌のチェックは欠かせないため暇があれば本屋さんに立ち寄って、ずらりと並んだ雑誌を眺めるわけです。それにしても最近の女性誌は表紙タイトルがスゴイんです。「35歳・モテ期は本当だった!?」と謳っている『Domani』。ちょっと前は、「華麗なる貧乏でいこう」でしたから、もう完全に突き抜けています。今月号の『CLASSY.』はタイトルが「これが結婚できる服」です。
ジョシにとっても「モテ」は最大の関心事項なワケです。「モテなんか全然気にしてないよ」なんて、クールな顔をした子に限って、本当はとても気になっているんです。で、ジョシが集まると、必ずといっていいほど恋愛トークに。「やっぱりどんな人がいいと思う?」という話になるのですが、みんな納得した結論が、“顔がいい人”でも、“仕事が出来る人”でもなく、“安心できる人”だったんです。なるほど、とくに非常事態が起こったときは、ジョシがひとりで居るのは、とてつもなく心細いんですよね。頼れる人に傍にいて欲しいのです。
今回の大西さんのスタイリングですが、ジョシ目線で見ても、とっても“安心感”を誘います。チノパンにネイビーのジャケットは、アメトラ好きには馴染み深いスタイルだと思いますが、実はほ~んのり進化しているそう。
イタリアのフィルターを通してチノパンはより細身になり、合わせるネクタイもキツい色や柄モノではなく、グレートーンのニットタイでソフトな印象と大人の品を醸し出しています。ベーシックなのに、そこはかとない洗練されたムードを感じるのです。
知的なブリティッシュも、やんちゃなイタオヤ風ダブルジャケットもいいですが、これから求められるのは周りの人がホッとするような、ソフトな着こなしなのかもしれません。しかし男性にとってもジョシにとっても、“普通”を素敵に見せる事ほど難しいことはないですよね。でもだからこそ、お洒落はやめられません!!
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 大谷 繭子
アンコン仕立てのボリオリ「SOHO」ジャケットはシャリッとしたコットンリネンが、着るほどに柔らかく身体に馴染みます。アメトラそのまんま、ではなく、イタリアのフィルターを通してトラッドを解釈しているあたりが新鮮。着丈の短いミニマムなシルエット、艶のある素材感が大人の色気にひと役買っています。
ジャケパンスタイルでチノを履いたら、胸元はソリッドタイでキメてしまうと、どうしてもアンバランスに見えてしまうもの。そんな時にはニットタイを選ぶのが正解、と大西氏。仕事が出来そうなスタイル、というよりもファッション性で目をひくニットタイは上級者なら数本揃えていたいもの。でも一方で「くだけて見えてしまいそうで、職業的にちょっと・・・」という声も聞こえてきそうですが、こちらのニットは剣先がしっかりあるので、会議や取引先訪問といったきちんと見せたい場面でも重宝しそうです。
ジャケパンスタイルのほどよくラフな印象を活かすべく、ベルトは表革のカッチリしたものは避け、これからブレイクしそうなメッシュベルトを。ベルトをたったひとつ変えるだけで若々しくみえたり、ともすると老け込んで見えるので、つい手を抜きがちではありますが、実はとっても重要なポイントなのです。定番トラッドを新鮮に見せるにもこんな小物ワザが実は抜群の効果を発揮しています。ジョシたちはそのあたり、厳しく目を光らせておりますぞ。