今回は少し角度を変えて、「個々で見たらクラシックなアイテムも着こなしによってはモードに着られる」をテーマに、ご提案したいと思います。
シックなモード文化が浸透しているミラノでは、こういったモノトーンの着こなしのイタオヤさんが多いそうで。たしかに、ミラノのブルガリホテルのロビーラウンジにもいました、いました!こういうコーディネートのお方が。でも女子目線で言わせていただくと、ブラックシャツは大人の男性をシャープに見せる反面、怖い人に映ることもあるとおもいます。そしてちょっぴり遊び人にも(笑)
例えば、モードブランドの「黒」はそのもののデザインがとがっているので当然、着る人を選びます。つまり難しい黒だからこそ、クラシックの仕立ての良さが必要なんですね。今回着ている名カミチェリア「FRAY(フライ)」のシャツが黒を纏ってどんなに悪ぶっても、やはりもともとは育ちのいいお坊ちゃま。そこはかとなく品の良さは出てしまうのです。胸元にチーフを挿したら、結婚式の二次会パーティでも華やかに振る舞えそうです。
次に質感に関してですが、ファッション業界では“天然素材=暑くるしい”という意見が多く、真夏に避ける傾向にありますが、実は天然素材でも充分涼しく過ごせるのです。近ごろ、スーパークールビズ対応として機能性を謳ったシャツやジャケットを目にしますが、目の肥えた方々を満足させる上質なものは少ないですよね。ミラノのイタオヤさん達は我慢は大嫌い。彼らは享楽的な性格なので、真夏も涼しく、快適に過ごす術を心得ているのです。そんな時に真っ先に手に取るのが上質なリネンやコットンといった天然素材のシャツでしょう。過ごしやすいのに、クオリティは下げていません。涼しくてとってもエコな着こなしなのに決してエコノミーには走らないのです。むしろ彼らの佇まいはラグジュアリーそのもの。黒って派手にも地味にも、そしてチープにも上品にも転べる難しい色だからこそ、挑戦し甲斐がありそうです。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 大谷 繭子
柔らかい表情で着るのがベスト
ワンピースカラーは絶妙な胸元の開き具合と、ロールの美しさがポイント。レギュラーカラーやワイドカラーに比べてほんのり色気も加味されて、ノーネクタイが洗練されて見えます。
蒸しあつい真夏にも最適
ジメジメジトジト、これから始まるいや~な梅雨。そして去年よりもさらにクールビズ対策が加速しているなか、オフィスやフォーマルな場面ではやはり、ジャケットは必要不可欠です。こちらのラルディーニのジャケットはざっくりとしたホップサック織りなのでサラリと軽快に羽織ることができます。
ウエスタンでちょいアジ足しを
ボトムスのダブルの折り幅を厚く、裾を短く上げることでエキセントリックなムードを演出。ベルトもあえてハズしてウエスタンを持って来る「味出しモノトーン」はミラノのイタオヤさんもよくやる常套テクです。