「お、大西さん？この組み合わせ、かなり難易度が高くないですか？」と思わず言ってしまった短パン×ダブルのジャケット、Ｔシャツという組み合わせ。いつもリアリティを追及していただけに今回は特別編として上級コーディネートをご紹介。「本当にピッティで見るのがこの組み合わせ。現地の人たちはスタンダードに取り入れているみたいですよ」と大西氏の言葉通り、確かに現地スナップをみても白ポロシャツにピンクの短パン、ジャケットはネイビーのダブル、それにスリッポンをつっかけ颯爽と街を歩くとびきりオシャレなオジサンの姿が目に焼き付いてはなれません。それにしてもダブルのジャケットがこんなにも涼しげに着られるなんて。正直、驚きました。実は現地のイタオヤさん達にはジャージー素材のジャケットは絶対に着ないそう。どうやら「面白いけど、実際着るかというと、着ないよね」という目線で見ているらしいのです。だからこそイタオヤ達はダブルでさえも涼しく見せてしまうワザに長けているのかも。本切羽でぐっと腕まくりをすれば、こんなに抜け感たっぷりに見えます。その軽やかさといったらまるでシャツを纏っているよう。まぁ、でもハッキリ言って今回の合わせは女子には賛否両論でしょう。ファッション好きな女子は理解してくれますが、普通の女の子に理解してもらうのは難しそうです。でもファッションの醍醐味ってそこにあると思いませんか？人には理解されないけど、これを着ている自分が好きという高揚や自己満足感。それは女子も同じ。トレンドのマキシロング丈ドレスやスカートやオールインワンなんてまさにそう。男性から見ると「理解できないお洒落」として言われることが多いですが、分かっていても着たいんです。「これを着ている俺、いいよね」という自己満足感はモテとは別次元で気持ちがいいもの。今回のコーデはタダモノならぬオーラを出したいお洒落上級者にこそ、ぜひおすすめしたいもの。たまには女子目線を忘れて着たいものを着るのも・・・・いいものです！
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 大谷 繭子
ジャケットのインナーにＴシャツを着ることでシャツに比べ腕まくりがしやすく、簡単に抜け感を出すことができます。ここでポイントになるのがＴシャツの選び。カジュアルなアイテムだけに若者が着るそれとは一線を画したいもの。女性のデコルテと違い、男性ってそんなに肌のお手入れはしないですよね。だから歳をとるごとに胸元のシミやシワが気になるところ。それを隠しつつ、短パンとの露出バランスをはかってくれるＴシャツは襟がつまったものを選べば間違いがありません。でも探そうと思うと意外に見つからないんですよね！
意外と女性が見ているのがバッグだったり、ベルトだったりの小物づかい。これって女子でも頭を使う難しいところだけに、男性で上手な人を見るとかなり目を引きます。これもしばらく続いている長めのベルトで。こちらの「アンドレアダミコ」のベルトは剣先にデザインが施されているので、まさにちょい垂らしにうってつけ。夏のスエードも、何とも洗練されたムードがプンプン漂います。
今年流行りの裾がダブルになったショーパンは上品ですが、ともすると「お利口な小学生」、いい子ちゃんに見えすぎて面白味がなくなってしまうので、大人はあえて柄で遊んだり、ダブルのジャケットで着崩すなどしてちょっぴりワルそうに、ハズして着るのがぐっとこなれて見える秘訣です。
