今回ご紹介するこちらの「イザイア」のコート、ラペルの極太の感じがなんともクセのある正統派ナポリ仕立てとでも言いましょうか。ラペルが太いといえば思いつくのが『LEON』や『MEN’S EX』といった男性誌各誌でも紹介されるイケメン御曹司と名高いあのラポ・エルカーンでしょう。彼はあの自動車メーカー、フィアットの元会長の孫という超絶セレブリティなんです。現在はファッションブランド「イタリア・インディペンデント」の創始者でもあり、これまたイタリアを代表する自動車メーカーである「アルファロメオ」とコラボして限定車を作ったりと、何かと話題を呼んでいるんですよね。この限定車がマットブラックでこれまたいやらしいんです(笑)でも私的にはセクシーでとっても好きです。とまあ超絶ボンボンにして白馬から降りてくる貴公子のようなノーブルな雰囲気を併せ持つ彼はファッションアイコンでも注目されているゆえ洋服も、買っては捨て、捨てては買い、といった派手な生活を送っていそうですが、実は彼が着ているあの極太デカラペルのジャケットは彼の祖父が着ていたものを引っ張りだして着ているそうなんです。でもそのまま着てしまっては“ただの昔の人”になってしまうので、これに新しいサイジングのパンツや今季モノのニットを合わせて彼なりに、うま~く今ドキのセンスを取り入れてアレンジしているんです。これがイタリアでも浸透しつつあり、昔仕立てたサルトの服と、新しいカットソーやデニムを合わせるのが、オシャレの先端にいるファッショニスタたちに話題となっているのです。やっぱり真の両家の子女はきちんとわかっていますよね。いいものを買ったらそれを永く着続けるってとっても素敵です。例えば女の子だったら新しいダイヤモンドの指輪を買うのではなくて、大好きな祖母が使っていたダイヤの指輪を今どきのデザインに直して身に付ける。モノは単なるモノですが、その裏に隠されたエピソードって心くすぐられるものがあります。そんな人間臭い、昔ながらのミラノモード的シルエットがこのイザイアのコートには秘められている気がするのです。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 大谷 繭子
前出のラポ・エルカーンのスタイルを見てみると、クラシックな柄や重厚感のある素材を好んで着ているんですよね。今回のコーディネートはインナーのスーツはシンプルかつベーシックに抑えていますがその分、コートはこれ位パンチや華があるくらいのものを。それにオン、オフどちらでも使える汎用性の高さも魅力です。ボタンを閉めればラインの美しさがより一層際立ちます。
女子の世界でも今季はブリティッシュテイストがトレンドなので、ほのかに英国調を匂わせるパターンは女子ウケも高いんです。いままでチェック柄を敬遠していた女子ですらチェック柄のストールやバッグを買っているくらいですから。実はこのコート、上質な素材感をたっぷり堪能できるダブルフェース仕立てになっているんです。「コート=重た~い」イメージがつきまといますが、これなら身軽に着られそうです。
スポーティに着られるパッチポケットがレア!
いま『B.R.SHOP』でもいちばん売れているスーツがこちら、ナポリの気鋭のファクトリーブランド「ガイオラ」のスーツ。高い位置に施されたアームホールが絶妙な色気を醸し出してくれるとあって、じわじわとファンが増え、遂には完売伝説を生み出すほどに!こちらのスーツはジャケットの仕様がパッチポケットとなっているので、ジャケット単体で着ることができます。