丸山　ご年配の方々は「デニムなんて、俺たちからすると作業着だ」っていう思いがある。でも、そんな頭の固い部分を無くせば、若者や一般の人が入りやすい、もっとお洒落にアフターゴルフを楽しめるような空間が作れると思うんですけどね。

山本　実際、そういう場所もちょっとあるけどね。

丸山　もちろん。うちなんかは裸以外はOK（笑）

山本　彼は栃木にある「58GOLF CLUB」というゴルフ場のオーナーでもあるんです。そういう意味ではルールも全部決められるんだけども。他の日本の名門と言われるようなゴルフ場はまず、ダメですね。

丸山　我々プロゴルファーは、トーナメント終了後の帰宅中でさえも、ゴルファーらしからぬ格好をすると怒られるんですよ。

山本　ある意味、ドレスコードになっちゃってるんです。

丸山　ゴルフは「紳士のスポーツ」と言われ、“紳士”がすごく強調されるんですが、でも僕は紳士的な服装の中でも、ファッショナブルな環境を作らないと、ゴルフが流行って行かないと思うんですよ。今はゴルフウエアを着る人が少なくなっていて、例えばポロシャツでも『Abercrombie&Fitch』とか『HOLLISTER CO.』などで、ゴルフウェアではない。でもそれでいいと思うんです。

山本　でも、丸は契約があるからね。彼はその中でもある意味、先に行くように努力していて、シルエットや生地などに関して自分の意見を言って、しょっちゅう変えてもらってるんですよ。

丸山　ただ、あんまり斬新な格好をすると、お叱りを受けるんですよね。裾が出てるぞ、とか。ゴルファーっぽくないぞって（笑）

ーー　その中でも、譲れないこだわりがあったりするのでしょうか？

丸山　僕は、もう年も年なんで。普段着として自分の好きな格好をすればいいやという気持ちです。ただ、ゴルファーらしさの中にも、ある程度スタイリッシュさを出せればいいなとは思います。アスリート的なシルエットはきちんと見せつつ、クラス感にはこだわりたいですね。例えば、今でも、スパイク付きの革底靴は絶対。

山本　今はもう、あんまり履いている人もいないでしょ。

丸山　僕は足元が気になるんですよ。みんな上はすごくお洒落にしているのに、なんか靴だけ重そうで高そうじゃない（笑）　だから僕は下から。ジョン・ロブみたいな革靴の雰囲気が好きですね。逆に、ゴルフ場以外で見ると「あれっ、丸山さん若々しい格好するね、なんかイイね〜」と言われる方がいいかな。そういうギャップが好き。いつも一緒じゃ面白くないんですよ。

山本　じゃあ、このスーツスタイルなんていいじゃない。

丸山　あんまり、見たことないでしょ。

ーー　よくお似合いです。今日のスーツスタイルは全部ストライプという高度な組合せですね。

丸山　どうしようかなとは思ったんですけど。

ーー　このコーディネートはすごく難しいんですよ。でも、丸山さんはちゃんとスーツとシャツ、ネクタイのストライプのピッチ（幅）を変えていらっしゃる。このピッチが近いもので組み合わせると、すごくうるさく見えちゃうんですよ。しかも、ブラウンとサックスブルーという、カラーの組合せもとてもキレイ。すごくお洒落な方なのがひと目でわかります。

丸山　ありがとうございます。