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植本 高史
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植本 高史

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植本 高史

「SARTO銀座店」 仕立て職人

こちらのブログでは仕立てに関してのこぼれ話や、日頃気になったことを綴っていきたいと思います。毎週金曜日 15:00~『B.R.SHOP』の店頭で受注会を行っています。皆様のご要望をもとに今までにない最高のスーツを作っていきたいと思っています。ご来店、お待ちしております。

SARTO
http://www.sarto.jp/

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FANTASTIC MAN
May 22, 2011

イギリスの老舗テーラー『Norton & Sons』オーナーであり、

こちらも老舗『E. Tautz』のクリエイティブディレクターの

Mr. Patrick Grant

雑誌『FANTASTIC MAN』でも取り上げられてましたが、
(表紙の人物は別人です。・・・似てますけど。)

カッコイイっすね〜

スーツはやはり、オトコを魅力的にする最高のアイテムなのだと

再確認させて頂きました。

でも個人的には、

ヘッドカッターのMr. David Ward のリーゼントが大好きです!


この二人、まさしくファンタスティック!

Smeraldoお世話になります
May 20, 2011


洋服のフォルムといいますか、

雰囲気を左右する部分で、もちろんカットと縫製は大事なのですが

私は芯地が重要だと思っています。

芯地というのは

普段目にすることのない、服の中に入っている土台みたいなものです。

芯なしの洋服なんかは最近あたりまえのようにでてますが
(芯なしといっても、全くないものは少ないですが)

ハンドメイドの洋服は芯を入れたほうが絶対いい服ができると思います。

手縫いは表に見えない部分に多く施し、

それがあるからこそいい服になるのだと思います。


私はやわらかい服もつくりますし、カッチリしたものもつくります。

やわらかい服をつくるとき、最近気に入っている芯が

イタリアのボローニャで織られている『スメラルド』という芯です。

これがけっこう特殊なもので、素材が

ビスコース60% ウール30% コットン10%

・・・・・・???

一般的に使われている毛芯はウールとコットンで織られています。

なので風合い自体が別物で、かなり薄いです。

最初何着かテストでこの芯を使用してつくったのですが、

とても扱いにくく、コツをつかむまで苦労しました。


でも、やわらかくしなやかな生地でこの芯を使い

ハンドメイドで仕上げた服は、まろやかでとてもいい雰囲気です。

手縫いの良さと生地のやわらかさを最大限生かせるこの芯地は

今後も大活躍でしょう!

只今仕事中のつづき
May 14, 2011

つづきまして、

ウエストベルト付け。
ウエストの仕上がり寸法を確認しながら付けていきます。
このとき、見頃を少しいせることでより腰のふくらみがでます。
これは寸法というより感覚的なものです。

内股を縫い合わせます。
これも前と後ろで少し寸法が違います。
伸ばしたり、イセ込んだりして脚の曲線に合わせていきます。
やはり感覚が重要です。

筒になった状態でさらにアイロン。
水分を加え、高熱で生地を変化させます。

左と右の筒をひとつに縫い合わせて、
寸法の最終確認をします。

これで準備OKです。

フィッティングが終われば、またばらして1枚の布に戻します。
そういう過程を経て唯一無二の洋服ができるのです。

ハンドメイドの洋服はこころがあります。
なので服が表情豊かで独特のオーラを発します。

これだけ機械の技術的進歩があるにも関わらず、
手間ひまかけた手作りの服が生き残ってるのは
結局、生物である人間が着るものであるからなのかなあ、、

人間の第六感で無意識にこころを感じることができるのでしょうか。

そのこころをお客様に伝えることのできる職人になりたいと思い、
やはりそれは、正直にお客様と洋服と向き合うことなのだろうか、、、
自分にそれができているのだろうか、、、

とか考えていると、やっぱり眠れないのです。

只今仕事中
May 13, 2011

日々の仕事を少しご紹介します。

今回は『パンツの仮縫い』編!

はじめに生地のアイロン掛けから。
生地はその字の通り生きています。
熱を加えると縮むので、生地を裁断する前に
しっかりと縮ませておきます。
このはじめの作業は非常に重要です。


生地のアイロンが終われば、カッティング開始。
チャコを使って生地にパターンを描いていきます。

描いたパターンを下の生地にも
しつけ糸でマーキングしていきます。
これはパンツの後ろ見頃。

生地2枚にしるしがつきました。
これを頼りに縫い合わせていきます。

ダーツを縫っています。
生地をつまんで縫うことで、お尻のふくらみをカバーします。
メンズのテーラーリングではアイロンでさらに生地を変化させて
より体に沿うように立体的にします。

これは、脇線を縫い合わせているところ。
前と後ろが合体して、少しパンツらしくなってきました。

、、、、以外と行程があるなあと今思いました。

つづきはまた次回にご紹介します。

今後はUEMOTO極秘技も

すこーーしずつご紹介できたら、、、、、

、、、と思います。   たぶん。


黄色
May 10, 2011


わたしの一番好きな絵、

ゴッホ作『夜のカフェテラス』

この絵を観ていると心が休まります。

ゴッホ独特のタッチと暗い夜を照らし出す美しすぎる黄色、

私がこの絵から受けるものはやさしさの様な

ことばでは説明できない、やわらかいものを感じます。

本当に美しい。

1900's Style
May 05, 2011

前回、Sartoria Caliendoを紹介させていただきました。

やはりナポリ仕立てなので、全体的にやわらかくつくられていますが

今回はそれとは趣の異なる、時代も異なる

1900'sジャケットです。

特徴は極端に狭いVゾーンにちびラペル、

かなりのカットアウェイ!それにかっちり仕立て。

おもしろいじゃないですか。

で、つくってみました。


かっちり生地なかっちり仕立て

袖口もかっちり折り返し本切羽。



Super 120s の生地で、すこししなやかな仕立て

4ボタンのロングジャケット。


リアルクローズとはほど遠いものになったのですが、

仕立て方法や生地をかえて、ディテールを絞り込めば

けっこうカッコ良くなったり・・・!?

それはわかりませんが、

イタリアとかイギリスとかいうようなカテゴリーに分けず

様々な国や時代をニュートラルな視点で見ることができれば

もっと新鮮でカッコいい服ができるのではないか、

とか考えているとやっぱり眠れないのです。

Sartoria Caliendo
Apr 30, 2011

私の好きなサルトリアのうちのひとつが

イタリアはナポリの、
Sartoria Caliendo(サルトリア カリエンド)です。

まず、奥のトルソーが着ているジャケット!

バランス良すぎです。

ボディのシルエット、ラペルとゴージのバランス、
肩幅と着丈、ラペルエッジからフロントカットにかけての
ラインのつながり、、、

この服欲しーーって思いました。

少し前にお客様がナポリでスミズーラされたスーツを

そのとき、前から 後ろから ななめから 

裏に返して、その裏まで見せて頂き

特に胸の立体感と雰囲気が印象的でした。

重そうなアイロン

これで生地を変化させ立体にする。

年期入ってます。

木丸出しのチーズボード

これでポケット作りや芯据えをする。

テーラリングには必須の道具です。

パッチポケットを縫っているところ

イギリスもイタリアも職人は
テーブルの上に座って服を縫うのですね。

日本でこれやると・・・・・

フェルディナント・ボル
Apr 28, 2011

先日、渋谷Bunkamuraで開催されている

『フェルメール『地理学者』とオランダ・フランドル絵画展』

に行ってきました。


絵画では、ゴッホが一番好きなのですが

フェルメールは生で見たことがなかったので、ワクワクでした!

今回のものはドイツのシュテーデル美術館が改装する間

そこの作品を展示するということらしいです。

なのでフェルメール以外の作品も展示されています。

フラフラ観ていると、レンブラントやルーベンスという巨匠の中、

フェルディナント・ボルというフェルメールのお弟子さんの作品
『若い男の肖像』

薄暗い背景に浮かぶ真っ白い顔と全体の陰影に見入ってしまいました。

行っては戻りを繰り返していたのですが

やはりそれが印象的でした。

このコントラストたまりません!

毎回期待してたもの以外が良かったりします。

だから美術館はちょくちょく行ってしまうんですかね。


もちろんフェルメールの地理学者、良かったです。 はい。

天然すぎる素材使い
Apr 26, 2011

現在進行中のK様の2回目の仮縫いを終えました。

かたちはサファリジャケットですが、

生地がすごいです!

イタリアの生地屋で購入されたもので、リネン100%のデッドストックなのですが

かなり古いものらしく、間にワラが平気で挟まってたり、

アイロンをかけるとなんともいえない香りがします。

普通なら洋服には使わないでしょう。

このハードな面構えの生地で、上品なサファリジャケットが欲しいとのことです。

う〜ん・・・・・


で、こんな感じになりました。


リネン100%なのですがハードなので一枚芯でもシルエットはきれいに出ます。

胸のマチ付きパッチポケットのバランスを調整してます。


後ろはワンピースバックのバックベルト付き。
肩のエポーレットとバックベルトはクロスステッチという
特殊なステッチで縫っていきます。

もう少しサイズの調整が必要ですね。

K様こだわりサファリ、職人心を刺激してくれます!

One Piece Back
Apr 22, 2011

みなさん、こんにちは。
いかがお過ごしでしょうか?

先日、峰様の仮縫いが終わりました。

終始楽しく、リラックスしてやらせていただきまして
ありがとうございました!

仕上がりは後日ご紹介できると思います。

なので今回は背中だけにスポットを当てます。

『背中よければすべて良し!』

恩師の名言ですが、それは言い過ぎだとしても

私も後ろ姿というのは非常に重要だと思っています。

ですので、より美しくするために背中は一枚でつくります。

背中心の縫い目がない分、立体化する為に高熱のアイロンで

生地を変化させ、生地をいじめて、いじめて、ちょっとゆるめて

の繰り返しでバックシルエットが形作られるのです。

これを 『ワンピースバック』 といいます。

そのままですけど・・・・・

ストライプやチェックなんかは柄がきれいに見えるので好きです。

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