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ACROSS THE BORDER Vol.1【後編】
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谷川じゅんじ
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マネックスグループ株式会社代表取締役社長CEO 松本 大
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アンディ 中国はどうですか?ブログでは中国について語っていることも多いですよね。

松本 中国は今、ニューヨークの次に興味深い街です。北京は新しいものと古いものが混在しているところが好きですね。都市としてのダイナミズムがある。

アンディ やはりそこはニューヨークとは違いますか?

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松本 ニューヨークにも北京と同じ要素があるんですが、通りが1本異なると、まるで異なる風景と暮らしが存在するような都市なんです。ジニ係数(※)が高い国ですよね。いい面と悪い面、両面がありますが、ジニ係数が低い日本のような国はハーモニーがあり安全な国。いっぽうで中国はハーモニーや安全が限定的なところがあるけれど、活気に溢れている。そんなダイナミズムが感じられるところが好きです。
※ジニ係数は、社会における所得分配の不平等さを測る指標。

アンディ 中国のなかでも、大連や武漢といった普通のエグゼクティブがいかないような街は実際に行かれてどのような印象でしたか?

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松本 この都市は違う、特殊だという印象は実はまるでなくて。常に旅芸人のように(笑)、国内外の都市を訪ね歩いているので、大連も武漢も香港も八戸も新居浜も(※)、"この都市は他とは違う"という感覚はないんですよ。ただ、ニューヨークは別。(※青森県八戸市にはマネックス証券の拠点があるため定期的に訪れているとのこと。愛媛県新居浜市は最近お客さま向けセミナーで訪問したそう。)

アンディ 逆に「ここは好きになれないなぁ」という国はありますか?

松本 イギリスは個人的にはあまり好きじゃないですね。嫌いとかではなく、観光で行きたいとか、住んでみたいとか、そういう感覚がないのです。食べ物が美味しくないことが影響しているのかもしれませんね。

アンディ 食べることが好きな松本さんならではですね(笑) これもずっと聞きたかったのですが、松本さんのように海外経験が豊富な方でも「あ、失敗したな」と思う事はありますか?

松本 そりゃあ、ありますよ(笑)例えば、香港やイギリスでのドレスコード。僕はビジネスパーソンとしてメイド・イン・アメリカなので、アメリカとの違いに驚きました。イギリス系の国の重要な人物を交えた、あるフォーマルなミーティングにラフなブルーのシャツで出席したら、僕以外の全員が白の無地のシャツを着ていて、ちょっと恥ずかしい思いをしたことがあります。

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アンディ 松本さんでもそういう経験あるんだ。話はちょっと変わりますが、新たに注目しているロケーションはありますか?。

松本 中国はこれからも注目し続けると思いますね。次に気になるのはインドやブラジルかな。ビジネスだけでなくアートの世界も盛り上がっているし。それから、香港はビジネスの拠点もあるので注目というより継続して関わっていくでしょうね。香港はイギリスと中国、大国の利害のはざまで生きてきたことで形成されたであろう独自のバランス・オブ・パワーを持っているところが面白いと思います。独立性、独自性をもった生き方を歴史のなかで意図的につくってきたしたたかさのようなものでしょうか。
新たに注目した、というのではないのですが、昨年初めてコロンビアに行ったんですよ。世界一殺人率の高い国。実際に行って自分の目で見て肌で感じることから得られる気付きは多いですよね。今年はこの後、国際会議でラトビアに行きます。初めて行く国はいい意味での緊張感があるし、自分のアンテナの感度が高くなる気がします。

アンディ 世界にはまだまだ知らない所がたくさんあるから。あと松本さんは旅の楽しみ方も実にユニークですよね。

松本 そうですね。着くとすぐに市場、マーケットを見に行くんですよ。あと必ず行くのは本屋さん。どんな雑誌や本が置いてあるかを見るんです。言葉が分からなくても、どんなジャンルの書籍や雑誌が置かれているのかは何となく分かりますよね。「この街の人はこういう事に興味があるんだ」「こういう種類の本を読んでいるんだ」と、一目瞭然で分かります。

アンディ 面白いリサーチの仕方ですね。

松本 そうですね。今度から本屋だけでなく、服屋さんも覗くようにします(笑)



【撮影/マネックス証券株式会社】

今年7月に引っ越したオフィスのエントランスロビーには映像作品、会議室には巨大なコンテンポラリーアートが飾られている。これは「ART IN THE OFFICE(アート・イン・ザ・オフィス)」というマネックスが5年間継続して行っている取り組みで、現代アートの作品案を募集し、社員と会話をしたり、会社のなかの様子を見ながら作品をつくっていくという、オフィスの中でアートを制作するというユニークなコンセプトでつくられた作品。
「現代アートの作品は世間の目に触れることが少ないのですが、私たちの会社の会議室が多くのひとの目に触れる"場"を提供しています。場の提供は証券会社のビジネスの本質にも通じるので、このプログラムを継続してやっています。オフィスにアートがやってくることで社員は新しい刺激をもらっています」(松本さん)


〈クレジット〉

松本 大さん
スーツ¥157,500<ガイオラ>、シャツ¥21,000<CIT LUXURY>、ポケットチーフ¥3,150 <ムンガイ>、ベルト¥13,650<アンドレア ダミコ>(ともにB.R.SHOP TEL: 03-5414-8885)

アンドレア・ポンピリオさん
ジャケット(ボリオリ/コロネット TEL: 03-5216-6521)、シャツ¥29,400<フィナモレ>、パンツ¥36,750<PT05>ベルト¥23,100<ティベリオ・フェレッティ>(ともにB.R.SHOP TEL: 03-5414-8885)







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