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special meeting
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B.R.SHOP Special Meeting Vol.001

<ゲスト>MUSIC CAMP 代表取締役 宮田 信さん

B.R.大和(以下--):僕は大げさな言い方ですが、ファッションを通じて、人の生活に活力を与えたいんですよ。というのは人間っていろいろコンプ レックスがあるじゃないですか。それをファッションの力とか、あるいは音楽の力を借りて、何かのきっかけで自分のペースを上げたり自信をもったりするっていうことが実際にあるし、僕もそうだったし、そういったことをお客さんにリ アルに感じてもらえた瞬間っていうのがうれしいですね。

宮田信さん(以下、宮田):素晴らしいですね。やっぱりちょっと似てますね。僕らも苦労して、アーティストのCDを出して「よかった」ってメールをも らったりとか、コンサートやって涙流す人がいると、やっぱりうれしいです。それしかないですもん。音楽をいろんな国からセレクトして持ってくる というのと、B.R.SHOPさんが様々なファッションを提供するのは、作業的には近いと思うんです。

--そうですね。基本的には。世界のものを持ってきて、自分たちなりにセレクトして、コーディネイトして世に出すっていう意味では似てますよね。

宮田:このレイ・サンドバルというギタリストのCDジャケットは、昨年、ロサンゼルスのメキシコ人が住んでる地域で撮ったものです。彼の音楽の世界 を持ってきて、日本の社会に出してみて、どういう風にそれをクラッシュするのかとか結構楽しみでやってるんですよ。どういう風にこれが変形、変化してい くのとかね。ただし、自分たちの音楽が「癒し」の道具みたいになるのは不本意なんです。やっぱり刺激やパワー。言葉にならないもの、感動。そういう ものを伝えていくとか。それが上手くリスナーの求めているものと合致するのはなかなか難しいんですけど。だから、常に音も洋服も同じだと思いますが、社会がどんな状況としてあるかを把握しないと提案できないですよね。

「エスペーホ」レイ・サンドバル

「エスペーホ」レイ・サンドバル ¥2,940

日本人の母とメキシコ系アメリカ人の父をもち、アリゾナで生まれ育ったギタリスト。甘美なマスク、官能的なギター演奏で、衝撃的なデビューを飾った2000年から4枚目のアルバム。

--そうですよね。基本的に人間って、根本的には誰や、世の中に対して何かしらで役に立っていたいってのがあると思うんですよね。それが結局は満足につ ながると思うんです。僕はファッションと音楽に、自分が生活なり生きるってことに対してパワーをもらってきたので、それによって世の中に対して貢献したいんです。

宮田:そこで経営的に調和が取れればいうことないんですがね…。会社員時代に本社の命令っていうのは、全部「株主をいかにハッピーにさせるか」。株のことばっかり気にしてるんですよ。経営的に妥協しなきゃいけないところもたくさんありますけど、でもやっぱり自分の魂を売りたくないじゃないですか。優先順位がお金な人もいるけど、インディペンデントで勝負しているんだから、魂を売らない生き方をとりたいですね。

--人の役に立ってるっていう形が、確立されてない会社は残らないのではないかと思うんです。例えば、ITのHさんなんかも、あれだけ社会に対して猛進していくエネルギーと度胸はすごいと思うんですけど、彼の事業自体は残らないと思うんですよ。だけどMさんがやってることは、実際、役に立ってる人が結構いると思うんですよね。ITユーザーにとって便利に構築されていると思うんで。ああいうところは残っていくと思うんですよ。リアルに世の中に貢献できてるかってことが、結局長い目で見ると「残る、残らない」に関わってくるんじゃないかと思うんですよね。 ところで宮田さんが音楽に入っていくきっかけになったアーティストっているんですか。

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宮田:僕は小学生の頃からブルースがスゴク好きになってしまって。青江美奈の昔のレコードとかジャジーな音楽に、子供心にも揺さぶられたというか。中学に入ってからは毎日ジャズばっかり聴いてまして、マイルス・デイビスは10代後半になって初めて良さが分かってきたような。大御所から入って、徐々に新しいジャズにも興味をもったら、とりあえず聴いておこうと。

--すごいですね。もう音楽のプロになるべくしてですね。私自身は、ボブ・ディランを聴いて、音楽そのものだけでなく、そのアウトロー的な思想にも影響を受けてきました。それが自分でショップを立ち上げるきっかけのひとつになっているような気がします。

宮田:音楽に生き方の影響を受けるって、かつては、みんなそういうことを期待して聴いていたかもしれませんね。でも最近は、音楽聞いてる男が明らかに減りました。忙しいってこともあるのかもしれないけど、売れているからとか、聞かなきゃいけないから聞いてるような。とりあえず押さえとこういう聴き方の人間が増えましたね。 正直言って、いまの音楽環境はあまり良くないと僕は思っています。音楽配信は手軽に音源を引っ張って来られるけれど、選択が流行に流されがちなんです。 本来、音楽はデータとして所有したいんじゃなくて、アーティストの事を知りたいとか、どういう活動をしているのか、付随するアートワークがどんなものかとか、背景やパーソナリティーを知りながらイメージングする愉しみがある。そんなサブカルチャーをみんなが作らなくなってきている。音は欲しいが、周辺のことに全く興味示さなくなってしまった。聴く側は衰弱しているけれど、逆に面白いのはジャズやラテンなどの音楽の交流ですね。面白いミックスがどんどん出てきています。

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