コートの前あけスタイルはベルトでニュアンスUPがキモ
この冬はダブルブレストのコートがとても目立ちます。もちろん今どきのものは、重厚で威厳溢れる昔のダブルコートとは完全に別物。主流は、ジャケット代わりに羽織れるタイトなプロポーションで、仕立ても軽快。だからカジュアルでとても着こなしやすくなっています。人気が出るのも当然と言えるでしょう。
こうしたダブルコートをさらに軽快に見せる簡単なテクニックが、前をあけての着こなし。じつはコートというアイテムは、前をあけるだけでぐっとカジュアルな印象になるんです。もっとも昔のダブルの場合、前をあけるとフロント部分の生地がもたついてしまいましたが、今どきの細身のものならその心配もなし。写真では「エンメティ」のスエードのダブルコートを着用していますが、こちらは左右のボタン感覚が狭いこともあり、ご覧の通り、前あけが颯爽とキマるのです
加えてこのコーディネートにおいては、腰周りも大きなポイント。そう、流行りの"ちょい垂れベルト"が、絶好のアクセントになっていると思いませんか? こちらは伊のベルトブランド「ティベリオ・フェッレッティ」の新作"リパリ"。ゴリッと粗く削られたオーバル形の真鍮バックルと絶妙な間隔で穿たれたスタッズが、程よくヴィンテージなテイストを発散するメッシュベルトです(ちなみにレザーとバックルには巧みな洗い加工がなされており、バックルのピンはデザイナーのティベリオ・フェッレッティ氏自身が一本一本手曲げ!)。ダブルコートの前あけスタイルにニュアンスをつける名脇役として、是非ご活用下さい。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 吉田 巌 / 十万馬力
着用したベルトは「ティベリオ・フェッレッティ」の“リパリ”。軽くウォッュ加工を施した太編みメッシュレザーだけでもインパクトがあるのに、ゴリッとした真鍮バックルとスタッズでさらにヴィンテージ感を強調。なおバックルのピン(伊語でアルディリオーネ)はデザイナー自身の手で曲げたものです。とても手間のかかった1本です。
パンツは「PT01」の新作“エディター”。右にスマートフォン用ポケット、左にメモ帳などをしまえる薄マチポケットを備える、その名の通り編集者にふさわしいギミックを備えた1本です。コットンにナイロンを織り込み、風雨に対して耐久性を高めた“テクノ ギャバジン”の採用も魅力。