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special meeting
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B.R.SHOP Special Meeting Vol.004

<ゲスト>クリエイティヴ・ディレクター、音楽プロデューサー 谷田部タケオさん

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--先ほど、かなりブラジルを熱く語っていただいたんですが、谷田部さんは、今の東京という街はどういう印象ですか。

谷田部:東京は世界的に見ても、今、キテると思いますよ。以前日本人がロンドンやニューヨークへ行くというブームがありましたが、同じように、今外国人がものすごく東京に来ていますよね。クリエーターたちをはじめ、ビジネスでも多い。かつて僕らが「外国で暮らしたい」と抱いたような思いを、今は海外の人が抱いているんです。特に多いのがイギリス人とか、オーストラリア人とかでしょうか。この街の文化に触れて吸収したい、とやって来るわけです。東京って多分ものすごく独特で、受け継いできたものに、海外から入ってきたものがブレンドされて独自のものになっていたりしますから魅力的なのかな。こんなに世界中からセレクトされたものの中で育つ国民って、世界的に見てもちょっといないですよね。

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--そうですね。だから、僕がやっているセレクトショップという仕事もそうですが、商売という点で、少なくとも僕が行ったことのある国の中では日本がいちばん洗練されていると思います。物を選ぶということに、そのすごく繊細で優れているというか。それから、品質をよりよくしようという向上心も日本にはすごくある。

谷田部:そうですよね。食べ物なんて、まさにそうだと思います。だって、パン1つにしても本場ヨーロッパの味にひけを取らないし、日本人が作るイタリアンの方が美味しい時もあるし。そういう向上心って、多分他の国は持っていない日本のいいところなんですよ。それを生かしているはずなんだけど、なかなかそれが見えにくかったりして。

--まさに谷田部さんは、その日本人独特の編集能力というか、いいところと、さらに欧米の自由な感覚というのをうまく融合して、今までいろいろな活動をされてきたわけですよね。ちなみに、これからやりたいことは、どういったことなんでしょうか。

谷田部:具体的には、自分でレーベルを立ち上げようかと。それがいちばんわかりやすい目下の計画です。あとは以前からやっているんですが、音楽と映像を一体化させるオーディオビジュアルの可能性にもすごく興味があって。やっぱり、見えるものと音って、つながっていて当然なんですよね。今の世の中は携帯電話やiPod、街頭ビジョンなど、生活の中に音とモニターがあふれている時代になっています。それらをもっと飛躍して考え、空間演出的なものをやってみたいというのは漠然とあります。今ひとつ考えているのは、温泉旅館の宴会場の空間演出とか(笑)。そこには温泉(自然)と食事と音楽やダンスがありますよね。これって、今で言うところの究極なクラブに近い。日本人として当たり前の文化を、ちょっと違う角度から見てみたいんです。

--なるほど、おもしろそうですね。やはり谷田部さんは、何にしても音楽が密接につながっているようですが。

谷田部:もう、音楽はずっと好きですからね。あとは、まだ世の中に浸透していない時からインターネットにもすごく触れてきて、実は結構インターネットにとって今何が必要か、なんて見えてきたりしているんです。僕が思うのは、アメリカが通ってきたインターネットの歴史に沿って日本のインターネットが進化するのもひとつの手なんですが、日本独自の文化の中で根付くインターネットのシステムの開発なんかもしてみたいな、と。僕らの生活が本当に楽しくなるシステムですね。実際に熱意のあるプログラマーを集めてチームも作っていまして。企業のような莫大なコストはかけれませんが、新しいものをプログラムできるということに価値を感じている人間が集まれば、少ない資本でもすごく意味のあるプロジェクトへと成長する可能性がある。やる気と情熱があれば、成功できる、つまりメンタルもフィジカルも、豊かな生活ができると思っています。

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