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團 紀彦
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Special Meeting 團 紀彦さん

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町の再生なくして復興はない。「AD BOAT」

港町の再生なくして復興はない。
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40オトコがより輝くための情報を
さらに磨きをかけて提供したい

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>前田陽一郎

贈られた人の満足度100%の「フラワージュエリー」 title=

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Special Meeting スコット・シューマン title=

「THE SARTORIALIST」のスコット・シューマンが来日
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Special Meeting 梶川 貴子 title=

豪華なハコ"では満たされない気持ちがある。結局やるのは人なんです。
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Special Meeting 團 紀彦

カッコいい服を着て、気取って歩ける。そんな街がもっと増えればいい。
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Special Meeting 鶴岡秀子

経営のプロに訊く!コミュニケーションの上手な取り方。
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Special Meeting 守屋Kスケ × 滝沢カレン

よきスタイリスト、よきライフスタイルのコーディネーターでありたいという思いが一致。
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Special Meeting 松下賢次 × 山本喜則

長年に渡り、トップアスリートを見続けてきたお二人に“一流とは何か”を伺いました。
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Special Meeting 植村浩

よきスタイリスト、よきライフスタイルのコーディネーターでありたいという思いが一致。
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Special Meeting 丸山茂樹さん × 山本喜則さん

ファッションもライフスタイルも、こだわり抜くから楽しい。
>丸山茂樹 × 山本喜則・2

Special Meeting 丸山茂樹さん × 山本喜則さん

男である以上、多少ギラギラしている部分が必要だ!!
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Special Meeting 前田 陽一郎さん

“モテる”人は“ポジショニ
ング”が明確なんです。
>前田 陽一郎

Special Meeting 武田修宏 × 小川カズ

ファッションも自分の個性。
センスを磨く姿勢が大切。
>武田修宏 × 小川カズ

みんなで揃って建築の見学に行く、
そういう集団行動が苦手でした(笑)

B.R.大和(以下ーー) 本日はありがとうございます。

團紀彦(以下、團) こちらこそ、よろしくお願いします。大和 僕自身、建築家だった父の影響からアパレル業の傍らインテリアの仕事にも携わっているので、今日は憧れの建築家である團さんにお目にかかることができて大変嬉しく思っております。

ーー 色々な話を伺わせていただきたいのですが、まずは建築という職業を選ばれたきっかけを教えてください。

 通っていた葉山小学校の校歌がたまたま父の作曲した歌でした。朝礼の時には「あいつのオヤジが作った歌だぜ」なんてからかわれたりするのが嫌で嫌で。それで音楽だけはやめようと小学校一年の時に心に決めたんです。今は音楽は好きですが、音楽以外であればということで。それから、数学や理科に夢中になって、「数学者になろう」と思いました。建築の道を決めたのは大学に入ってからですね。

ーー どういう大学時代を過ごされたのですか?

 小さい頃から「建築家になりたい」と思っていたわけではなくて、学者になるよりも社会と接点があるから面白いかなという軽い気持ちでした。デザインや絵の勉強をすることもそれまで一切無かったんです。そうして建築学科に入ったら最初はあまり上手くいかなくて。毎週、みんなで揃って建築の見学に行く、そういう集団行動が苦手でした(笑)思い描いていたような数学の美しい空間とモノを作るプロセスの泥臭さとのギャップにも迷って、早稲田大学に入り直して新聞記者を目指そうかと思い悩んだ時期もありました。そしてあるときふと立ち寄った古本屋さんでコルビュジエのスケッチを発見して眺めているうちに、「これだったら色々な人がいてもいいんだ」という勇気が湧いてきました。それで未だに建築家を続けているんですよね。

ーー 團さんのように才能、家系ともに恵まれた方でも、このままやっていけるのかどうかという不安は感じることもあるのですね。

 それはありましたね、やっぱり。深い穴の中に落ちてしまい、そのなかでやっていける能力がはたして自分にあるのか、という不安は絶えずありました。僕は工学系だったので絵を描く素養もなく、最初の設計課題では手が全く動かなかった。今も思い出すんですが、あるとき彼女と電話で話している時だけイタズラ書きのように自然と手が動いて模様を描いている。じゃあそれを書こうと思うと動かない。スピーチもそうですよね。上手な人をよく観察していると、用意周到な人よりも考えながらなんとなく話をする方がいつの間にか人を引きこむ事もある。今は考えながら線を引くことができるようになってきました。まだまだですけれどもね。

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ーー 志が固まった頃に、いちばん意識されていた建築家はどなたでしたか。

 古本屋さんのスケッチ集で見たコルビュジエ、そして大学の恩師である槙(文彦)さんですね。大学の講座で槙さんと話すようになって今までにない刺激を受けました。槙さんの代表作に"代官山ヒルサイドテラス"という建物があるのですが、僕が槙さんに「どんな考えでやられたのですか?」と聞くと「ジャズのアドリブのようだった」という言葉がかえってきました。土地のオーナーと二人三脚でつくっていったわけですが、始めから起承転結を決めないので、1期計画の時点では第2期がどうなるか予想もつかない。サンゴ礁の様に、バラバラに生きていているにも関わらず部分で成立している。ひとつの大きなモニュメントから、もっと小さな集落へ、という槙さんの考えは部分が自立して多元的に広がっている。学生時代はそういうものに惹かれていました。

ーー いろいろな評価をされて、仕事がたくさん来るようになったわけですが、オファーがあった時にいちばんに考えることは何ですか?

 我々は敷地というものに永久に縛られます。僕は建築を人間と自然の対話のかたちだと思っているので、建築のもつ能力や、地形を作りだす能力を重視します。クライアントとのコミュニケーションも大切ですね。敷地を誰かが購入されて、何かを作りたいという発意が合って初めて発注をいただくことになる。建築の場合は、「あなたにお願いすることに決めました」という頼まれかたはまずありません。住宅を建てる場合はクルマを購入するプロセスと違ってビジュアル化された商品があって見比べたうえでのチョイスができないので図面や模型を見て「これが本当に自分が買いたいものだ」というデシジョンを下さなければいけない。それはクライアントにとっても大変なこと。ましてやそこに建築家が5人いたら5通り違う回答がでてくるわけでしょうから、本当にどうしたらいいのか。オファーをいただいても100%委ねられているわけではないことは常に考えています。そのほうが新鮮な気持ちで仕事ができることもあります。

ーー 既成物ではなくゼロから生み出していくゆえに完成図が想像できないのが難しいですね。

 出来あがってからやり直すことはできないですから。

ーー 今まで作られた建築物で、特に思い入れが強いものはありますか?

 出来あがってからやり直すことはできないですから。

ーー 今まで作られた建築物で、特に思い入れが強いものはありますか?

 敷地も異なりますし、依頼してくる方の表情や思考も違うので二度と同じものに遭遇することはありません。国際コンペでとった台湾最大の湖である日月潭の風景管理所は比較的自分の考えてきた部分が表現出来たもののひとつかな。

ーー 大規模なものから一般住宅まで、どれが團さんのいちばんやりたいことですか?

 住居に関しては、長らくやりたいとは思わなかったですね。まず生活を楽しむことを自分自身が知らなかった。50歳半ばになってようやくゆっくり本を読んだり、趣味で獲ってきた魚を調理したりと、生活が楽しくなってきました。そういうことを知らないと住宅のイメージすら湧いてこないんです。常にひとり相撲が許されない世界ですから、親しい友人から住宅を頼まれるというのはやめた方がいいという話もあるくらい(笑)住居ってそれくらい面白いけれども難しい。完璧だと思っても施主がカンカンに怒ったという失敗も何度もあります。  

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