高温多湿な日本の夏。この時期にふさわしいジャケットをお探しなら、スカっとした背抜きで、生地からして涼やかなものが使われているタイプがベストです。とはいえ、どこに出ても恥ずかしくないドレス感をキープしたいのなら、ペラペラのシャツジャケット的なものは避けましょう。軽量仕立てながら、作りがしっかりしているために品良く見える、そんなタイプを選ぶべきです。たとえばここで紹介する「リングヂャケット」の2着なら間違いありません。どちらも肩パッドがほとんど入らず、芯地もかなり薄手。でもさすが日本を代表する凄腕のスーツファクトリーだけあり、ビシっとタイドアップもこなしてくれる絶妙なクラシック感をたたえているんですね。 メインカットではネイビー×ホワイトのコードレーン製ジャケットのほうを使ってタイドアップしてみました。いかがでしょう。これならよほどドレスコードの厳しい職場でない限り、ビジネスにも十分使えると思いませんか? そこはかとなくイタリアっぽさがあるのは、ボトムスをありがちなチノパンではなく、スマートな「インコテックス」のコットンヘンプ製5ポケットパンツとし、軽快にまとめあげたことが大きいでしょう。中に着用した「B.R.Practical Style」の細身ボタンダウンシャツも、ロングポイントタイプの襟を装備することでIVYっぽさを軽減。イタリアの洒落者がよくやるように襟先のボタンを外して洒脱なイメージを高めています。もちろん足元は、今季の上品スタイルのお約束とも言えるスエード製スリッポンです。 サブカットでは、もう一方の白リネン素材のジャケットを用いて洗練された休日カジュアルをご提案。気障なイメージがするからと白ジャケットを敬遠する人も多いようですが、この手のタイプが一着あると非常に重宝するもの。涼感はもちろん、清潔感の演出にも最適ですし、たとえば胸に綺麗な色味のチーフを挿せば、下がデニムであっても、結婚式二次会などのちょっとしたパーティをこなしてくれます。インナーの色を選ばないから、他の柄物ジャケットなんかよりも実はコーディネートはぐっとラク、というところも見逃せません。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 吉田 巌 / 有限会社 十万馬力
美しい細身シルエットによってただ今大好評を博している「B.R.Practical Style」のシャツ。こちらはボタンダウンタイプで、ロングポイント襟によってIVYっぽさを抑え、イタリアのシャツ的な洗練された雰囲気を獲得しています。こういう今どきのBDの襟先ボタンを外す着こなしがヨーロッパの伊達男たちの間で流行中。ちなみに合わせたタイは、上質なイタリア製シルクを使用した「フランクリンミルズ」のもの。
胸にチーフを挿すことで、白ジャケットのドレス感をぐっと高めることができます。パーティシーンなどではぜひご活用を。ここで挿しているのは、ボトムスに履いた「ヤコブ・コーエン」に付属しているバンダナ。こんなヒネリ技もお洒落です。
気楽に履けるのに、上質な黒スエードやオールレザーソールの効果でエレガントに見える……そんな重宝な「フェランテ」のスリッポンを足元に合わせています。中は通気性に富んだメッシュライナー。ぜひ裸足で履いてください。