亜熱帯化するニッポンの夏。じっとり重たい湿気が肌にまとわりつく嫌な梅雨の時期はまだまだ続きそうですが、着こなしくらいは涼しげに見せたいものですよね。よくリストランテやバーでよれよれのシャツにタイを外して寛ぐ男性の姿も目にしますが、女性からするとちょっぴり恥ずかしいもの。一緒に過ごす男性には清潔感を漂わせて欲しいものです。そこで今回、スタイリスト・大西氏に提案していただいたのが「夏のクールビズスタイル」です。クールビズ=ノータイが浸透していますが、今回オススメするのは“あえてタイを締めるクールビズ”です。そのキモとなるのがVゾーン。ネクタイを白ベースにすることで視覚的に涼しく見える効果があります。ともすると高難度に思われる白タイですが、たとえば手持ちのネイビージャケットに合わせるだけで品と涼感が加わります。ボトムスには涼しい色合わせの柄パンツを。白パン以上グレーパンツ未満の柄パンはジャケットに合わせやすく、若々しい印象を与えて加えてくれます。そしてコーディネートの仕上げには洗練クラッチをセレクト。トラモンターノのクラッチバッグはいわゆる“おじさんクラッチ”とは一線を画すスマートなデザイン。クルマに乗る方に人気だそうで、携帯電話と財布の必要なものだけを入れて持ちます。私自身もショップでひと目惚れ。知人男性にプレゼントしちゃいました。よく脇に抱えて持つ方がいますが、これも一気に老けこんで見えるのでNGです。がしっと無造作に手で掴んでラフに持ちます。こうしたさりげない身のこなし方が、実は颯爽スタイルのカギを握っています。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 大谷 繭子
涼しげなスタイルに見える爽やかなVゾーン。こうした白系のネクタイを選べばタイドアップであっても十分涼しく装うことができます。合わせるのは白シャツでもOKですが、たくさん汗をかく夏にあっては、あまり美しく見えないので、より清潔感を醸し出してくれるブルーカラーのシャツがベター。カラーコントラストがついて、白タイを効果的に引き立てます。ネイビーのジャケットとも相性が良いのでぜひトライしていただきたい組み合わせです。
ポケットチーフの代わりに胸元に白いペンを差し小物として使うのも手です。ペン好き、文房具好き女子は意外と多いので、「それ可愛い!」と会話のキッカケになることも。そんな“スキ”を女性は期待しているのかもしれません。しかしウケを狙うあまり奇抜なカラーを選ぶのはやり過ぎです。日本のビジネスシーンでは白が限界。ホワイトカラーのペンは希少なので、みつけたら即買いをオススメします。
一見、難しそうなチェック柄ですが、遠目にみるとグレーに見える控えめな柄なので、トータルで見たときにパンツだけが変に浮いてしまうことはありません。白パンの爽やかさと、グレーパンツのべーシックさを備えた一本です。通気性にすぐれており、汗をかいても肌にまとわりつくことなく爽やかに履けるのも嬉しいポイント。