イタリアには“ナポリを見てから死ね”ということわざがあります。風光明媚な土地として知られているため、このことわざが生まれたらしいのですが、今回は、そんな魅惑の地であるナポリで生まれたスーツの話。よく、イタリアのスーツというとミラノスタイル、フィレンツェスタイル、そしてナポリスタイルなどといった具合に分類されます。で、ナポリスタイルはというと、ちょいとリラックスした感じ。ゆえ、そんな一着だからこそ、スーツを仕事着、としてではなく遊び着として着たい、という今の気分にハマってくれるのです。ナポリスタイルに代表される柔らかな肩やラペル周りは、くつろぎつつも大人の余裕を黙して代弁してくれる。しかも卓越した職人技が随所に投下されているために、見ためのリラックス感もさることながら着心地だって何とも楽チン、なのです。シルエットも今日的なので、とってもモダンな印象ながら、ならではのサックスブルーのシャツに合わせた渋~い色味のタイが、何ともナポリっぽいきこなしのこちらのコーデ。見て良し、着て良し、合わせて良しな、こんなイマドキなナポリスタイルを、スーツを仕事着としてではなく遊び着として着たいアナタに、満を持してリコメンドさせていただきます。
写真 : 渡辺修身(FOREST)
スタイリング : 梶谷 早織
ヘアメイク : 吉田葉づき
文 : 寺田慎一(GtN-48)
メインの柄スーツを使ったの別のコーディネートを下記よりご覧頂けます。
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Recommend Style vol.159 Dress Style other cut
チェック地のスーツに合わせたサックスブルーのシャツと深い味わいのグリーンのタイ。この渋い色合わせが、なんともナポリっぽい。ここでさらに今季っぽさを演出するべく、タイは素材感のあるものを選ぶのが正解です。ほっこり感が増して、季節感も演出できますよ。
白のチーフを潔く胸元に挿すことで、正統な印象をプラス。なんですがこれをまんまTVフォールドで入れてしまうとお固い感じになってしまい、せっかくのリラックスした全体と調和がとれなくなってしまいます。ので、あえてTVの端をちょいと上げて、クズすくらいが塩梅絶妙ですよ。
全体に素材感のある今回のコーディネート。ともすると野暮ったくもなってしまうので、腰元には、スエードなどの起毛感のある物ではなく、あえて艶感のあるクロコをチョイス。これで周到に、ラグジュアリーな雰囲気もプラスできるという算段ですよ。