季節が冬から春に移り変わるこれからの季節。アウターに身を包み、颯爽と街を闊歩していた我々も、少しずつ薄着になっていき、結果、衣替えのシーズンを迎えるわけなのですが
。その際、どうしても悩ましい問題が。それこそが、物理的に着こなせるワードローブが減ったことによる“コーディネートあっさりしすぎ現象”とでも言いましょうか。コートを脱いだり、グローブを外したり、はたまたストールやマフラーなんかも使用する機会がなくなってくる。そうすると、なんだか物足りない印象になってしまう、というのがこの現象なわけです。これが何とも悩ましく、特にスーツなどの場合は上下が共布であるため、余計にソレが顕著だったりして。で、どうしたものかと頭を悩ませるわけなんですが、時は2013年、春。何やら今年は“柄”が久々にファッショントレンドとして注目されている様子。と来れば、それを取り入れない手はないぞ、ということで、今回はスーツで柄を取り入れてみましょう、というご提案をさせていただければと思う次第です。といっても、その方法論はすこぶる簡単。比較的落ち着いた印象のクラシックな柄同士を合わせていく、ということ。こうすることで、全体に上品さや大人っぽさは残りつつも、あっさりしすぎ、といった印象とは全く無縁なお洒落スーツスタイルが完成する、というわけなのです。しかも、しかも落ち着いた印象の柄であれば、遠目には無地(シック)に、そして近くで見ると柄(お洒落)に見える。だから、遠近でまったく異なる雰囲気を相手に与えることも可能。一見生真面目に見せて、その実
。てなジキルとハイド的、まったく異なるキャラクターを演じられるかは、アナタの器量次第ですが、いぜれにせよ、冒頭のお悩みも簡単に解決でき、かつ簡単に今季的お洒落が手に入るこのテクニック、是非ともお試しいただきたく、リコメンドいたしますよ。
写真 : 渡辺修身(FOREST)
スタイリング : 梶谷 早織
ヘアメイク : 吉田葉づき
文 : 寺田慎一(GtN-48)
同じスーツを使用した遊び心たっぷりなコーディネートは下記よりご覧頂けます。
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Recommend Style vol.167 Dress Style other cut
柄のシャツに柄のタイを合わせると、なんだかごちゃごちゃしそう。な~んて思いそうですが、落ち着いた柄同士を合わせればそんな心配は無用。むしろシャツのストライプ柄がタイをより立体的に見せてくれるんですよ。
ここまできたら胸元にまで柄を、となりそうですが、そこは我慢。件の箇所にまで柄をもってきてしまうと、さすがにヤリスギになってしまいますから。ヌクところではしっかりヌクのが、大人のお洒落なのですよ。
エレガンスや知性といった印象は、大人の着こなしにおいては必要不可欠な要素。というわけで、柄合わせで思い切り遊んだ総仕上げとして選ぶ小物は、シンプルな物を合わせるべき、なんですね。いやはや、すこぶるスマートです。