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Backyard Talk Vol.023
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Backyard Talk vol.023 バイヤーが思わず大量発注したくなる!?その秘密は独自の“アマンスタイル”にアリ。
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大谷/アマンさんと言えばダブルブームの火付け役となった「ボリオリ」をはじめ、「フィナモレ」「ノティファイ」など、大人カジュアルに欠かせないブランドの総輸入代理店としてご活躍されていますよね。
大西/今回はB.R.SHOPのサイトでアマンを全面プッシュするという企画なのですが、今季のイチオシアイテムをいくつかご用意していただいたそうですね。
山内/いつも、B.R.SHOPさんには本当にお世話になっています。
大和/実は御社とのお付き合いは古くないんですよね。ただ、ここ数年で急激に発注量が増えていったというのはあります。
山内/最近では、B.R.SHOPさんとの別注モデルのフィナモレのシャツが、500枚近くが即完売したという伝説もあります。
大谷/すごい!
大西/それが2010年秋冬からフィナモレ社の正規モデルとしてスタートしたそうですね。アマンさんがセレクトした商品が上手に時代や媒体誌とマッチしたんでしょうね。
大和/展示会に行くと、発注を付けてほしいからバリエーションを見せたがるんですよね。一方、アマンさんは我々、バイヤーに見せる段階で商品数をかなり絞っているんです。
大西/なるほど。本国ではもっと展開しているのにも関わらず。
大和/そうなんです。多分1/10ぐらいに絞っているんです。見せる生地も、モデルも。だからバイヤーからすると、とても発注し易いですね。
山内/それはあるかもしれないですね。
大西/トレンド感を掴むことも然り。日本のユーザー向けに上手くリサーチが出来ている、という事なんでしょうね。
大和/もちろん企画力もあるし、そもそもいいモノを出しているというのもあるけれども、バイヤー心理を掴むのが上手いんですよ。
山内/よく藤井((株)アマン営業本部長)が“アマンスタイル”って言うんですけれども、うちのショールームにいらしていただいたときに、トータルで買いたくなるようなブランディングでないと意味がない、と良く言っています。
大和/そうなんですよね。僕、アマンさんの凄いなぁと思うのは、会社のブランディングをしっかりしていこうという意識をすでにお持ちのところなんです。バイヤーがそこに求めるウェイトが大きいことに気づいていないインポーターさんも多いので。
山内/「フィナモレ」なんかも、本当にお恥ずかしいくらいサンプルも少ないのですが、本国と連携したセレクトをもとに営業と話をして、更に絞り込みます。凝縮したうえで皆さんにプレゼンをするので、なかには「物足りないな」と思われるバイヤーさんもいらっしゃるかもしれないですが。
大和/御社はお店の特徴を徹底的に研究するんですよね。それで藤井さんとかは「大和さんのところは絶対コレだから!」と言い切るんですよ。それがこちらの欲しいものと重なることが多いですね。
山内/なかには読み間違いもありますが・・・・(笑)
大和/営業の藤井さんは遊び友達でもあるから、よりうちの店のことは理解してもらっているというのもあるかもしれません。それに潔い良いのは「これは大和さんのところに置かなくていいよ」って、ズバリ言うんですよ。
山内/当たり前の話ですが、一緒になって御社では何が売れるのかを考える。あれもこれも、という訳にはいきませんから。
大和/それって一定の感度以上の人が営業をやらない限り、成立しない事だと思うんです。店をよく理解しないで営業されると、バイヤーからすると強気に付けづらくなる。扱うインポーターさんによって、かなり発注する着数は変わってくるんじゃないかなぁ。
山内/今は逆にバイヤーさんがインポーターに聞いてくることも多いそうです。「他社さんは何をつけましたか?」とか、「今季は何がいちばん動いていますか?」とか。それを聞いたうえで「じゃあ一番に乗っかっておこう」みたいな姿勢のバイヤーさんも多いみたいです。結果がバイヤー自身の評価につながるからハズせないし、かといって自分の感性に頼る自信もないし。その辺はかなりシビアになってきていますね。
大和/そうですよね。
山内/だから“投資”のようなこともないですよね。昔に比べて「このブランドをこの店で買って、育ててやろう」という気概は全然ない。安パイ主義になってきている。
大西/今回の4つは、アマンさんの取扱いブランドのなかでもバイヤーに人気の商品ということですよね。
大谷/いま40代男性がどんどんお洒落になっていますよね。いい具合に肩の力が抜けたカジュアルが似合う大人の男性は素敵です。アマンさんで取り扱っている「ボリオリ」の楽ジャケットはもの凄い勢いで売れたそうですね。
大西/その「ボリオリ」の次に控えたる新勢力が今季から展開を始める「ブレマ」「ブレマ・メニケッティ」ですね。
山内/そうですね。これは今季イチ押しのラインです。ブレマはモーターサイクルウェアからスタートしたブランドですが、今季からロベルト・メニケッティがディレクターに着任したんです。彼特有の前振りの手であったり、右胸のポケットも出し入れがしやすいように機能性を考えて入れていたり。
大西/機能がデザインに見えてしまうところがすごい。
大谷/こうしたデザインのアウターっていかにも“哀愁漂うオジサマ感”が否めなかったりしますが、無理なく若々しく見えるデザイン性は秀逸ですね。どこも奇を衒っていないのに、今どきのツボはしっかり押さえているというか。
大和/これは来ると思いますよ。今いちばん売れているボリオリ的ゾーンといいますか。結構リアルにモードだとかっこいいのは分かるけれども実際に着られなかったりするじゃないですか。かといってクラシコだとオヤジすぎて嫌だし。
山内/きちんと着られるうえに、他ブランドにはないちょっとした違いを求めたいというのはありますね。本格ラリーウェアブランドから派生しているというストーリー性も、男性には刺さると思うんですよね。
大谷/スーツの上からさらりと羽織ってもらいたいですね。
大西/ブレマで実際、雑誌掲載が決定しているアイテムはありますか?
Photo 山内/レコメンドスタイルで紹介している「M65」のベージュのジャケットですね。いま発売している『Men’s EX』で1ページで紹介していただいています。
大西/おぉ、結構大きな扱いですね。
大和/続いて「ロイヤル・ヘム」ですね。
山内/2010年の春夏に、ユナイテッドアローズの鴨志田さんが「いいブランド見つけてきた」と、ご自身のブランドで仕入れられて、同年のAWから弊社で取り扱いがスタートしました。秋冬のモデルは肩パッドがしっかり入った構築的な作りながら、身頃はタイト。それこそ『MEN'S Precious』の山下さんや、『LEON』の持田君がこぞって買ってくれました。この春夏から新しいデザイナーが入ってきて、基本的なフィット感は変わらないんですが、肩パッドを抜いたアンコン仕様と、あとはジャケットでも今回はダブルを推しています。
Photo 大西/お店でも昨年の春夏から秋冬にかけてダブルが一気に伸びてきて、これから一般に浸透していく感じですよね。
大和/ダブルブームはこの春夏で最大のピークを迎えると思いますね。
大西/特に今回のチェック柄のジャケットのように、ブルゾンを羽織っている感覚に近い軽いダブルはウケると思いますね。特に夏になると日本の場合は湿気があるので、前を開けても格好よく着られるのはいいですね。
大和/アマンさんといえば「ボリオリ」もそうですが、ブランドを発掘して、手塩にかけて育てるのが本当に上手。
大西/圧倒的に大人の男性から支持を得ているブランドを持っていらっしゃるアマンさんは、旬の大人カジュアルを語るにあたって欠かせない存在ですからね。もはやひとつのショップのような存在になっていると思います。「ノティファイ」もアマン流に上手に育ててこられましたよね。今や、“ノティファイ流スタンダード”が確立されてきたように思います。
大和/今回のピッティでいったいどんな収穫があったのか、今後の展開を楽しみにしています!

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■トレンチコート
今回、一同大絶賛だったのが「ブレマ」のフィールドコート。トレンチコートといえば定番アイテムながらクラシックに偏り過ぎて、どうしてもオジサンくさく見えてしまうアイテム。一方、こちらのブレマのショートトレンチはディテールは本格仕様にも関わらず、王道シルエットから微妙にハズしてあるため、若々しく着ることができます。
「ボリオリ的ゾーンというか、上手いですね」(大和)
「オジサン臭いトレンチとは無縁。これはカッコいい!」(大谷)

■モーターサイクルジャケット
M65タイプと並んでオススメなのがこちらのブルゾン。スポーティなデザインながら大人の品を保ってくれます。特に素材には強いこだわりがあるブランドで、すべてメニケッティ本人の明確な指示のもと開発されています。

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■デニムジャケット
肩パッドをなくしたアンコン仕立てて、非常に着心地がいい「ロイヤル・ヘム」のデニムジャケット。先シーズンから男性誌の編集者もこぞって自分買いしているとあって、今季からブレイクの予感!?

■ジャージダブルジャケット
「ロイヤル・ヘム」のダブルブレストジャケット。ラペルが広くて身頃は細めという、ユニークなデザインゆえ、スリムな人が着てもダブルがサマになります。モードなシルエットにも関わらず、クラシックのツボはおさえているという着やすいデザインがこちらのブランドの特徴。絶妙なフィット感が新しい、いまイチオシのジャケットです。

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山内 敦さん

山内 敦さん

AMAN PR

大手アパレルPR、PR代理店を経て、2009年7月よりファッション輸入代理店AMANにてPRを担当。PR歴は13年。趣味は、バスフィッシングでシーズンになると、毎週末千葉の湖に出掛け、12時間近く釣りをしているという“釣りバカ”な面も。

大西 陽一

大西 陽一

ファッションエディター/RESPECT

エディター的視点からスタイリングのできる希少な存在として、雑誌や広告など幅広く活躍する売れっ子。守備範囲はメンズファッションだけにとどまらず、インテリアやクルマ、雑貨までにも及び、親しみやすいほがらかな人柄が多くの編集者から愛されています。趣味の写真の腕前は相当なもの。

大谷 繭子さん

大谷 繭子さん

ファッションエディター・ライター

男性誌および女性誌でファッションをはじめ、旅、グルメ企画を担当。新しい店が出来たとなるとチェックせずにはいられない、自他ともに認めるオヤジ好き女子。酒好きでもあり、麻布十番にあるバー「ラ・ユロット」ではしばしばその姿を目撃されている。趣味は洋ドラをみること。

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