夏の午後、ホテルのプールサイドで彼女とともに軽いお酒を飲みながらくつろぐ
上の写真は、そんな状況にふさわしい装いをイメージしてコーディネートしたもの。思い浮かべるシーンが少々ベタではありますが、つまりは、ジャケットを羽織るほどではないけれど、ある程度の上品さは必要とされる、なんてシチュエーションでの着こなし提案です デニムスタイルを上品に見せている一番のポイントは、クレリックシャツです。ご存知の通りクレリックシャツとは、身頃がストライプなどの柄物、もしくは色無地で、襟とカフスは白無地となっているシャツのこと。黒の上着から白襟をのぞかせている聖職者(クレリック)の服装に雰囲気が似ていることからこの名があります。この手のシャツの利点は、普通の白シャツよりも小粋、そしてどこかノーブルに装うことができるところ。袖がダブルカフスとなっているものが多いところもエレガントさの演出にもってこいです。ちなみに今回着用しているのは「B.R.Practical Style」のシャツ。計算された細身シルエットは、このようなジャケット非着用時にはとくに際立つことでしょう。また、身頃のブルーストライプが淡いところにも注目を。このトーン抑えめな色合いが、クレリックの華美な感じを中和し、涼しげな雰囲気作りにも貢献しているのです。 デニムにはシルエットの美しさに定評ある「ヤコブ コーエン」のワンウォッシュデニムをチョイスしました。リジッドデニム流行りの昨今ですが、濃いインディゴブルーはスタイルを暑苦しく見せるきらいも。これくらい程よい色落ち加減が夏場には正解でしょう。クレリックのブルーストライプ、そしてB.R.SHOPが「エンツォ ボナフェ」に別注したホワイトバックスのレースアップシューズとの連動性もあり、とても清涼感たっぷりに見えます。また、袖口のカフリンクスやマルチカラーのメッシュベルトにもご注目を。これらもデニムスタイルをお洒落に格上げするポイントとなっています。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 吉田 巌 / 有限会社 十万馬力
ドレスシャツをカジュアルで着る場合は、襟からステイを抜くのが鉄則。襟のロールが柔らかくなり、絶妙なリラックス感を演出してくれます。とくに「B.R.Practical Style」のシャツはこのロールの微妙なニュアンス演出にこだわっています。
生デニムが流行っていますが、今の時期だとやや暑苦しく感じることも。その点この「ヤコブ コーエン」のデニムは、ブルーが濃過ぎず、薄過ぎずの絶妙な色落ち加減。さすがお洒落な方々が今こぞって注目するブランドなだけあります。ちなみにこのモデルのパッチはハラコ製。ゴージャス!
Wカフスシャツの魅力は、カフリンクスという袖口の小粋なお洒落を楽しめること。ただカジュアルでは着用する場合、ピカピカした金属製や、宝石づかいのものは少々ミスマッチかも。ご覧のコットン製のタイプを装着すると違和感ありません。カフリンクス初心者も抵抗なくトライできます。