今年もレザーブルゾンが大人気です。だからといって、遥か昔の学生時代に購入したような、極厚革を用いた男気あふれるタイプを引っぱり出してくるのはダメ。このページをお読みのかたでしたら、いまは薄手で軽やかなレザーを用いた、ラグジュアリーなタイプがマストだということをご存知でしょう。
もし、今季新たな一着の購入をお考えでしたら、ここでモデルが着用している「チンクワンタ」の新作にご注目を。このところイタリア男の間でバルスター型ブルゾンが人気を博していますが、これはその完成されたクラシックデザインをベースに、すっきりした細身シルエットに絶妙アレンジしたもの。しかもキルティングのバルスター型というありそうでない仕様とし、防寒性を高めているところも秀逸です。もちろんレザーには軽量でしなやかに身体にフィットするシープスキンが用いられ、羽織っていて肩が凝るなんてことは皆無。
このモデルにはブラウンモデルもありますが、スタイリストの大西さんは今回あえてブラックをチョイスしています。理由は、ブラックのほうがより今季っぽいコーディネーションができるため。もっとも、黒ブルゾンにグレイパンツを合わせてしまうとちょっぴりオヤジ臭い雰囲気にもなることもあるのですが、大西さんはここに白系パンツを合わせることを推奨。ここで合わせたのは「インコテックス」のオフ白コーデュロイパンツですが、シャープな中にもエレガントなニュアンスが生じ、年々ドレス方向にシフトしている昨今のファッション傾向ともぴったりマッチするそうです。たしかに写真はそんな感じ。皆さんも是非今季は黒×白のドレッシーな合わせに注目してください。
じつはブラックのレザーブルゾンは体型補正の効果も高く、お腹周りが気になる人にもうってつけなんだとか。メタボに悩む人でしたら、ここも見逃せませんね。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 吉田 巌 / 有限会社 十万馬力
バルスター型ブルゾンは、普通、袖先はカジュアルなリブニットとなっていますが、このモデルはボタン留め。全身のシャープ感とマッチし、ほんのりドレッシーな雰囲気も演出してくれます。
裾にリブニットを装備したブルゾンは、ニットのテンションが強いと、腰回りに提灯状のモタ付きが出ることもあります。その点こちらはレザーの上にリブニットを配したクレバーな設計。腰回りをすっきりと見せます。
ブルゾンのせっかくのシャープ感を損ねないよう、インナーのニットは素肌に直接着ています。ちなみにこちらは大好評の「B.R.Practical Style」の細身ニット。極細糸をハイゲージに編み込んでいるため、肌触りも最高です。