いまジョシのファッション誌では“シンクロ”という言葉が使われています。例えば、ご主人や彼とアイテムがもろにカブるのは恥ずかしいけれど、同じような系統の服を着ていることで妙な親近感が湧く・・・というのがいわゆるシンクロファッションらしいのです。レディースのカジュアルなアイテムといえば最近ではPT01のレディースモデル「PT0W」の細テーパードパンツも女性誌各誌でこぞって取り上げるほど人気ですし、インコテックスのウィメンズモデル「インコテックス レッド」のキレいめカーゴも注目を集めています。メンズライクなトレンチコートを中心としたパンツスタイルは女性ファッション誌の“好きなコーディネートランキング”の一位を総ナメし、ほかにも、レザーブルゾンの中に杢グレーのフーデッドパーカをピタピタに合わせて着たり、テーラードジャケットにサファリジャケットも好んで着ます。かくいう私も先日、オジ靴といわれているレースアップシューズとブルーのギンガムチェックシャツ、デニムシャツを購入したばかり。これらもメンズファッションから派生したものですよね。とにかく今のジョシたちはメンズライクな格好が大好物なのです。だからこそ、メンズファッションも自分たちと同じ土俵で見てしまいます。もはや「メンズものは女にはわからない」のではなく「一緒になってオシャレを楽しみたい」と思っているんです。そんな目線から見ると今回の白パンを使ったコーディネートは男らしいのにどこかソフトで好感が持てます。冬から春へ劇的にアイテムをかえるのは危険なので、レザーブルゾンで冬を踏襲しながら、くすみのないクリーンな白パンで春の爽やかさを足し、足元は冬仕様のマウンテンブーツからタッセルスリッポンに履き替えて、上品にまとめています。そしてぜひ使っていただきたいのがカラー巻き物。巻き物って男性の中にはまだまだ抵抗がある方もいますが、薄手のニットに合わせれば体型カバーにもなるし、Vゾーンに華が生まれるのでなにより着映えがするんですよね。
たとえば、これにストールがなかったら・・・だだの枯れスタイル!?に見えてしまう恐れも。それくらい小物とはいえ、侮れないのです。最近は若い男の子も積極的にアフガン巻きで歩いていたり、オシャレなストールづかいを楽しんでいるので、大人の男性が巻き物をしていても、決して街で浮くことはありません。なにより、ストールに関して一番理解があるのは女性ですから、そんなジョシ好感度の高い鮮やかなストールで春を先取りしない手はありません!
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 大谷 繭子
米軍機のパイロットのために開発されたボンバージャケットですが、タフなデザインながらしっとり柔らかいレザーの質感と、コンパクトなシルエットでシックに着られ、様々な着こなしにアレンジが可能。レザーブルゾンの嬉しいところは真夏をのぞいたスリーシーズン着回しができること。冷える日の羽織りにガンガン使いたくなる一枚です。
無骨で男くさいレザーブルゾンは爽やかな白パンツとエレガントなタッセルスリッポンで馴染ませるのがおすすめ。今季はロンドンオリンピック開催年ということもあり、業界でも引き続きブリティッシュの流れが注目を浴びていますが、いつもの定番チャッカブーツからタッセルがついたスリッポンに履き替えるだけでぐんと今年らしさが増します。トレンドは小物から取り入れれば、すんなりと馴染ませることができます。
秀逸なシルエットを生みだすジャケットで火が付いたラルディーニですが、今季からはベルトも登場しました。一見ごくフツーのメッシュベルトですが、同装されているスエードストラップは腕にぐるぐるっと巻きつければ、ブレスレットにもなるという、なんとも可愛らしい遊び心が散りばめられています。もちろんフラワーモチーフは単独のブートニエールとしてラペルに挿してもOK!コットンやリネンと素材感が軽くなって素肌と一体化する服が増えてくる夏にむけて素肌力を上げるためにも、ぐるぐるブレスは欠かせないアクセサリーです。