「ピッティ イマジーネ ウォモ」といえば、世界中から選りすぐりの洒落者が集まるメンズ最大の展示会。この時季になるとメンズ各誌で特集が組まれるので、もうご存知の諸兄も多いですよね。今回もスタイリスト大西氏がイタリアに赴き、現地のトレンドを掴んできました。「モードではないトラッド系のオリンピックなので、みなさんかなり気合を入れて挑んでいます。つまりそれは日常のスタンダードな装いではなく、非現実的なお洒落なんですよ」と大西氏。そうなんですね。女子の私としてはあれがスタンダードなものとばっかり・・・。だからこそ、現地の合わせを日本で取り入れるには、当然、シフトダウンも必要です。今回ご紹介するボーダーポロですが、去年もピッティで着ているイタオヤを紹介した『LEON』効果で各ショップで完売したモチーフですが、今年もやっぱり来ているそうで、ジャケットの下に着るイタオヤを見かけたそうです。去年だとポロやハイドロゲンの“デカロゴ”が多く見られましたが、今年はデカロゴが影を潜め、代わりに勢力をのばしてきたのがボーダーというワケ。でも、今回のポロシャツはイエロー×グレーとかなり派手!ショップで並んでいると腰がひけてしまいそうですが、実は意外や意外!大人が着てもしっくり馴染むんです。「ピカソがボーダーのバスクシャツを着ていたように爽やかに着ていただきたい」と大西氏イチオシのボーダー柄。確かにそのへんの若者が着るより、大人が着たほうが可愛いかもしれません。大人のお茶目がときに、とってもお洒落に映ることがあります。スキのないキメキメの男性より、どこか突っ込みどころのある男性のほうが圧倒的に魅力的。それが“ダサい”という突っ込みではなく「カワイイ!」「色がキレイ」という突っ込みなら男性側も歓迎ですよね?だから色を着る時に恥じらいは必要なし。だって大人の茶目っ気は大人にしか醸し出せないんですから。もっと分析するとアメリカンな雰囲気で着るのではなくイタリア味が入っているところが野暮にみえない大事なポイントかもしれません。カジュアル最右翼のポロシャツアイテムだけに、サイジングには気を付けたいところです。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 大谷 繭子
大人の男性が着るにあたってパンツ同様、体にそったシルエットであることは必須条件です。バカンス先でのアメリカ人男性がポロシャツを着ているのを想像していただくと分かりやすいのですが、サイズがダブついていると、どうしても野暮ったく見えてしまいます。こちらの「SUN68」のポロシャツはさすがイタリア製。コンパクトな身頃が無理なく若々しくみせてくれます。袖や襟に入った刺繍もユニークなディテール。
そろそろひと段落したかのように見える腕元のぐるぐるは、イタリアではまだまだブームのようで、ジャケットにもシャツにもイタオヤの腕もとには何かしら巻かれていることが判明。バリエーションもさらに増えて、ターコイズといったエスニックなものも見られます。もはや一過性のトレンドをこえた、定番アクセサリーとなりそうです。
人気のレザーブランド「シセイ」からスポーティなデザインの新ラインが登場!センターのラインですが、プリントではなく縫い合わせて作られているという手の込みよう。グレートーンのシックな組み合わせはコーディネートしやすく、コンサバの粋をけっしてこえず、どんな服にも合わせやすい。日本デザイナーならではの気配りが光ります。