実は大の温泉好きジョシのワタクシ。なかでもいちばんを挙げろと言われると、真っ先に思い浮かぶのが伊豆河津にある宿『玉峰館』です。宿に着いた瞬間、目に飛び込むのは、シューシュー音を立てて、もうもうと煙がたちこめる源泉やぐら。とにかくダイナミックなんです。で、宿の中はというと、初代オーナーがプリミティブアートの収集家であったことから、とってもセンスの良いアートが飾られています。よく急造の宿に見られる「ハコだけ豪華」な宿ではなく、「素朴なのにセンスがいい」宿。それにあのやぐらに象徴されるように、豊富な湯量の源泉かけ流しの湯は体の芯まで温まり、泉質も抜群。ここでのオススメは、こぢんまりした空間の貸切りヒノキ風呂。ランプの明かりの下で、お湯が注がれる音を聞きながらつかるのはまさに極楽です。温泉帰りにはドライブしながら、途中で旨い蕎麦や海鮮どんぶりに舌鼓を打つのもよし。たまには非日常を味わうのもいいものです。
今回ご紹介するのは、休みの日にとことんゆるみたい、といった気分にオススメのコーディネート。「ゆるむ」といっても、やはりそこは大人です。ある程度の清潔感ときちんと感は匂わせたいもの。「ハヤリの軍パンをいかに泥臭くしないか」をテーマに、スタイリスト大西氏が提案するのは、巻き物を中心とした、知的ミリタリー。ウォッシュが効いていて、さらにかなり細身のシルエットと、クセのある「インコテックスレッド」のカーゴパンツには、白シャツと巻き物でエレガントに。『LEON』前田氏ものご自身のブログで言っていますが、とにかく今季は巻物が気になる小物No.1に急浮上しているんですね。それでいてキモは“ふくらませない”こと。男性では巻き物って「いかにもお洒落してます」をアピールしているようで恥ずかしい、と思われる方も多いですが、小物使いが旨い男性こそ、実はジョシの目を引きます。スタイリスト・大西氏も実はかなりの巻き物上手。がそこで上手く巻くためのコツを聞いてみると、広がるシルクよりも、リネンを。そして片結びにして首元で細く、タイトにまとめる。そしてさらにストールの色とシャツの色をリンクさせることで、ストールだけがワル目立ちせず、馴染むそうです。なるほど!やっぱりお洒落はアタマを使うんですね。それでも「巻き慣れないし、ちょっと気恥ずかしい」と頭のどこかで思いつつも、日常を離れた休日、しかも知り合いに合う事もないであろうショートトリップをきっかけに、新しい着こなしにトライしてみるのもいいかもしれません。
スタイリング : 大西 陽一 / RESPECT
文 : 大谷 繭子
小さくタイトに巻くのが秘訣です
意外に夏場に売れるという巻き物。冬場にはアフガン巻きやジョルジーナ巻きといったとにかくボリュームを出す巻き方が主流でしたが、夏場はいかに涼しく見せるかがポイントに。ボーイスカウトの少年のように固めに結んで首元に抜け感を作ります。ストールに白が入っているので、シャツとの馴染みも抜群。首元だけがワル目立ちしません。
ソフトウエスタンなメッシュベルトが◎
メッシュベルトは今季のトレンドですが、こちらは上質な素材使いのイタリアを代表するベルトブランド「Anderson's(アンダーソンズ)」からの新作。ミリタリーパンツもグレーのウォッシュがかかったハードなイメージなので、綺麗なカラーで清涼感を足すことで軍パンを爽やかに穿くことができます。
旅に穿いていきたい快適さ
ディテールに面白さがある「インコテックスレッド」のミリタリーパンツ。バイオウォッシュ加工や、リベットといったユーズド感たっぷりの仕上がり。膝から下はグッと細く絞られていながら動きにくさとは無縁の穿き心地ゆえ、ちょっとした旅にも最適です。